裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

25日

火曜日

最多出演記録

 朝7時半起き。朝食、マフィンサンド。マフィンを切ってトーストし、シソの葉と薄切りマッシュルームを敷き、バタ炒めしたカニ足を並べシーザーズサラダのドレッシングを垂らす。それにバナナ。肩の調子良好なれど、午後の気圧の変化により、予断許さず。薬局新聞一本。女房に弁当作り。鯛チクワの生姜焼き。

 パティオ、メールなど読み、返事。ネットのサイト巡回。すこぶる気分よくなるのもあり、なんじゃそりゃ、もあり。買い物に出ようとしてサイフが紛失、探し回るうち、なくしたと思っていたメモやらなんやらが見つかる。サイフは結局、いつもある場所にありました。頭の中で、“なくしたんだからそこにだけは絶対ない”という思い込みが作動したらしい。

 昼飯はシオカラとツボヅケで茶漬け。腹ごなしに街を歩く。スーパーで買い物。井上ひさし『ニホン語日記』ひろい読み。80年代ロックの歌詞の“現実も暗いし未来も暗いが、それでも・・・・・・”型は戦前のプロレタリア歌謡に前例があるが、もうひとつの80年型“成長を拒否して少年のまま現実には参加したくない”型はこれまでにあまり類例がない、というあたりの指摘がオモシロかった。
「どうやらわれわれ大人たちは、若い人が入ってきにくい世界を作りあげてしまったらしい」
 という著者の感慨に半分、同感。もう半分では、大人にならなくても未来が暗くても生きていけるシステムの世界ってスゴいのではないか、と思う。

 家に帰って『創』著者校やり、週刊ポスト原稿送り、朝日新聞『手塚治虫文化賞』候補作リスト送る。特別賞には、理解されないとは思うが一峰大二氏を挙げておく。ウルトラマン、ウルトラセブン、スペクトルマンと、怪獣モノのマンガをこれほど連続して描き続けた人はなく、実はわれわれに多大な影響を与えた作家の一人なのである。永遠に評価されないかも知れぬ、と思っていた氏の作品群が最近、あいついで復刻されているのはうれしい。これこそB級文化評価の最たるもの。

 朝日と言えば、年末にインタビューされたネットについての記事が掲載されたものが今日、送られてきたが、私の発言は字数の関係とかでカットされていた。まあ、確かに大したことは言ってない(笑)が、年末のあのクソ忙しい中インタビューにつきあって載らなかった、と思うと、時間を返せ、と言いたくなる。

 北原照久氏との対談、佐島の北原氏の別荘で、とのこと。別荘! ひえー。それだけでもう、貫禄負けである。文化放送からまた出演依頼。今度はいつもの『やる気マンマン』。ゲスト最多出演記録を更新中である。今回は『裏モノの神様』について、ということ。ところでこの本、六本木のABCからまたもや消えたぞ。

 この数日、寒気はなはだしく、窓際で仕事を続けているため、窓に接した側の左肩が異常に冷える。汗腺が開かないため、体じゅうに水気がたまっている感じもある。新宿行き、サウナ&マッサージ。サウナ、顔面からタオルにしたたる汗を1500滴数えて出ると、体重がキッカリ1キロ減っている。いつでも、見事なほど。マッサージ、左肩のことを言うと、“左足が悪いので、いつも体の左側が突っ張っているのです”と言われる。“寝るとき、左側に体を曲げて寝るといいです”と言われるが、夜じゅう左曲がりでもいられないよな。

 帰宅して夕食。鳥手羽煮、キクラゲとカニのあんかけ。『おにいさまへ』、ついにサン・ジュスト死す。話の盛り上げとして、ソロリティー廃止の件が一段落ついたところで、という感じになってしまったのが惜しい。クライマックス近くにはありとあらゆることが一緒くたに、とならないと本当はいけないのだが。あと、NHKビデオで昭和40年と42年のニュース記録。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa