12日
水曜日
情念とバカ
朝7時起き。外は雪。朝食はバナナとトマトですませ、すぐ『SPA!』にとりかかる。福永法源リスペクトの原稿だが、資料として彼の著作リストのタイトルを見てたら、こんな書名がある。『あなたが悪い』『死ぬ。』。“死ぬ。”ってのが凡をつきぬけて奇である。30分ほどで書き上げてメール。
今日はとにかく仕事々々。それ書いてから『モノマガジン』、さらに『日経DI』をやる。昼はK子につくった豚バラと豆腐炒めの残りで2ハイ。二時、井上デザインの平塚くん来宅。HPリニューアルの打ち合わせ。
「これ、K子先生にさしあげてください」
と、ケーキとヨーグルトという、どちらもK子の大嫌いなものを持ってくる。何か彼女にノノシられる星回りに生まれついている人なのではないか。因果同士か仇(かたき)の末裔(すえ)か、という都々逸を思い出す。
因果同士と言えば、伊藤剛氏への謝罪文、あれどうしましょう、と平塚くん。あ、もう掲載期間過ぎていたんだっけ。まあ、急にそこだけ削除するのもなんだから、リニューアル時に一緒ということで、と話す。鶴岡から、またぞろ彼があちこちの掲示板で私への罵倒を繰り返している、と報告がある(光文社に念書をとられている、というのは何のことだ?)。まあ、あれはリハビリの一種だと思うので、やらせておきなさい、と答えておく。過去を完全否定しないと次のステップに進めない一群の人がいるもの。ただ、非能率だよなあ。
SFマガジンから電話。先日送った原稿、文字数不足とのこと。カン違いで計算していた。急いで書き足し分入れてメール。やはり鬱のときはアカんな。同じ鬱もちの岡田斗司夫が、鬱やその他の精神の病を“相対的価値観の時代において、ある一つの価値観で世界を評価することで自己のブランドを成り立たせている者の職業病”と表現していて、何か非常にナットクした。
さらに河井克夫作品集のオビの推薦文、それから惹句まで考えて送る。“情念とバカの理想的化合”という惹句を考えたら、河井さん、大変喜んでいたそうだ。さすがに肩がへんてこになり、新宿のいつものマッサージパーラーで1時間ほど、揉んでもらう。マッサージとか整体の効用というのは、フィジカルなものというより、一定時間自分の体のあつかいを完全に人にまかせてしまう、という責任感からの解放によるストレス発散にあるのではないかと思う。SMプレイと同じなんだな。
その後、階下の喫茶店でNHKのYくんと打ち合わせ。14日の出演の件。いろいろ裏ばなしも聞く。こっちも出版業界の裏ばなしをいろいろ話す。
打ち合わせ終わり、新田裏の寿司処『すがわら』へ。K子まだ来ていない。時計を見ると8時。1時間間違えていたことに気がつく。今日はまったく、どうにかしているなあ。電話して早めにK子に来てもらう。ここの店にも、歌舞伎町時代を入れればもう十年通っているんだなあ、と、昔ばなし。白身、アジ、甘エビなど。正月なので割箸にご祝儀はさんで熊手に飾る。