15日
土曜日
完全休養
寝床の中で転々反側、胃が痛み肩が痛み、明け方に目が覚めてしまう。氷雨ソボ降る天候。今日は一日、完全休養しようと決意。さもないと死ぬ。
しかしそんな状態の中でも腹は減る。昨日のアズキを使って、甘くないオシルコ。K子にはキャベツのスープ煮。K子が仕事しないのなら歯医者に行ってくれば?と言うので、外へ出るが、どこも土曜は休診。パルコのはす向いのビルの歯医者はやっていたが完全予約制。月曜の夕方に予約入れて帰る。
帰って、入れ違いに出かけるK子の弁当作り。チクワの煮付け。メシが冷蔵しておいたやつなので少々ボロつく。フロ入り、さあ休むぞ、と思いながら無意識にパソコンの前に坐ってしまうのが情けない。無理にしばらく寝転がって、梅原北明の本など拾い読み、少し寝る。土曜日というのに宅急便、小包など頻繁で、あまりのんびりもできない。居間でコタツにあたりながらビデオ数本見る。ゆうべの『赤穂浪士』の続き。右太衛門の大石はステロタイプだが、小杉勇の千坂兵部は持ち役だけに重奏的なキャラクターで印象深い。錦之助が、惚れた女にほだされて討入から脱落する役なのが意外。他にこないだ出たBOOKTVの録画、それから奥平広康くんから買ったアホAV。スチュワーデスのコスプレした女優が盆踊りしながら部屋をぐるぐる歩き回り、ハダカになるというだけのもの。
昼飯は弁当のオカズの残りで。午後になるとさすがに宅急便も来なくなるので、またベッドに戻って寝転がりつつ読書。中国の書についての本にあった、あちらでの硯の値打ちを見る“四奇”の法が面白い。曰く、“醜〜でこぼこで不均整な石ほど上。均整がとれすぎたものは風格に欠ける”。“痩〜肉づきが悪く、痩せこけている石ほど上。もののあわれが出た、貧寒な硯でなくてはいけない”。“透〜透き通った感じがして、中がつまっていない、空虚な石ほど上”。“漏〜水が漏れそうな、おぼつかない硯ほど上物。ぎっしりと密度の高い石は使っていて疲れる”。よくまあここまでひねくれた観賞法を案じ出したものだが、硯に限らず、趣味がいきつくところ、どの道でもひとしなみに、こういう“奇”な部分に面白味が感じられるのかもしれない。
電話数本。みなこの数日の日記を見て、体を心配してくれる。6時に新宿へ出て、いつものマッサージ。90分、念入りに揉みほぐしてもらう。指圧中心で、非常に指の力もあるうまい人なのだが、鼻が悪いらしく、耳元でクスンクスンやられるので気になって弱った。ともあれ、かなりこれで回復。四谷三丁目で買い物をし、K子と待ち合わせてNHK前のソバ屋。湯豆腐でイッパイやっていたら、同じビルの上の焼鳥屋の親父さんが来る。秋に予定のポーランド旅行の話などする。マッサージ疲れの体にアルコールがよく回り、キモチよく酔っ払った。