裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

29日

火曜日

ダーク破壊部隊“赤めだか”!

「立川流に生れし者は立川流に帰れ〜」(プロフェッサー・ギル談)

朝8時50分まで寝る。
眠い眠い。
眠いよーとわめきつつ、9時15分朝食。
スイカとコーンスープ。

自室に戻って、同人誌原稿作業。
宅配便が届いたので出て見ると、
「唐沢俊一さんですよね。ああ、名前見て、アレ、と思って
いたんですが、前からファンなんです」
と配達員さんが言う。てっきりテレビで見ているのかと
思ったら、
「『ぞろぞろ』が一番好きなんです」
という。こりゃホンモノである。

同人誌原稿、基本的に図版キャプションなのでそう大変では
ないが、なにしろ数がある。途中で弁当使う。焼肉弁当、やたら美味。
結局、出かけるまでに片づけられたのは1/3程度。

タクシー(最近バスをあまり使っていないが、仕事が重なっている
ときは通勤に45分もかけていられない)で渋谷。
いったん事務所に荷物を置き、下のベラミへ。
祥伝社『zipper』インタビュー。編集のMさん(女性)、
ライターのSさん、それにカメラマンさん。
例の、オノがひっくり返って笑っていたコーナー名の“ozipper”
インタビューである。

Mさんが前から私のファンで、このコーナーに是非出ていただきたい
と思っていたそうで、Sさんは以前から『週刊プレイボーイ』などで
私に何回か電話インタビューしたことがあるそうで、やはり
話をじっくり聞いてみたいと思った、という人なので、
力の入ったインタビューになった。

親父たちの10代、20代の思い出ばなしを語るという企画。
まあ、かなり暗中模索な時代の話なのでトリトメはないが
ライターとしての再デビュー以降の20代最後の数年に関しては
「濃いですねえ」
と二人とも驚いてくれ、そこで自分が得た、この業界で生き延びて
いくためのマニュアル(文サバ塾で語ったこと)についてはSさん、
「刺さる、刺さるなあ」
と胸を押さえる。
よきライターになるには、みたいな精神訓は誰もがいうが、
食っていけるライターになるには、という話は(それがシビアすぎる
故に)何故かみな、多くを語ろうとしない。

1時間半ほどで語り終え、写真撮っておしまい。
事務所に戻り、書評原稿やろうと思ったが暑くて進捗せず。
某社の仕事の依頼FAX見る。
まだプレゼン状態だが、広告仕事。

6時、荻窪へ。天沼会議室で、ルナの公演を取り上げてくれる
という声優マガジンの取材を受けるため。
途中でさっき見たFAXの依頼主の代理店から電話。
ギャラの話になって、
「予算がなくて、お恥ずかしい額しか出ないんですが。
……あの、もし失礼な額でしたら遠慮なくおっしゃっていただき
たいんですが」
「はいはい」
と、聞いた額のあまりの高額に驚く。もちろん、おくびにも
出さず“ああ、それでしたら問題ないです”とか答えたが、
うわずっていたかもしれない。代理店の仕事というのはやはり
違うなあ。まあ、プレゼン段階なのでとらタヌになる可能性は大。

天沼会議室3階会議室。ルナ、『新・地獄の楽園』稽古中。
声優マガジン、インタビューかと思い話すことまとめてきたが、
ほぼハッシーが話していたみたいで、写真撮影のみ。

ハッシー通じで、J−WAVEから出演依頼。
8月の5日になる模様。
稽古を見せてもらう。来月の二本の芝居のうち、『黄昏モンスターズ』
は台本があるが、こっちは口だて方式。設定の基本部分のストーリィ
作りに、少しアイデアを出す。
女優陣が××××になって出る、という趣向があると聞いて口あんぐり。

9時まで稽古で、さて帰ろうか、と支度しはじめたあたりで
ぐわああん、と大きな落雷の音。すぐさまドドッ、という感じで
雨が降りだしてきた。車軸を流すとか、天水桶をひっくり返したような、
という、古風な表現が似合う豪雨である。
佐藤歩ちゃんが携帯で天気図を見て、うわ、と言っていた。
のぞくと、関東一帯で、東京にだけ、真っ青な雨マークが集中
している。極地雨であるらしい。
電車も各地で止まっているという。

まあ、これだけ強い雨なら、逆に長続きすまいと踏んで、
しばらく歩ちゃん、麻衣夢ちゃんなどと雑談。
案の定、30分後にはもうポツポツ程度の小やみになった。
そこで駅まで歩く。ほとんど傘もいらない程度。
「メシでも食ってくか」
と、ハッシー、歩ちゃん、麻衣夢ちゃんと4人で客家亭。

芝居の話、歩ちゃんの田舎の話、麻衣夢の大阪ツアーの話など
いろいろ。ワイワイ話していたら、隣のテーブルの一団が
帰りがけに、
「あの人たち、テレビ出てる人たちだろ? いや〜、ここも
とうとう芸能人の隠れ家になったじゃん!」
とか話している声が聞こえた。
私のことでなく、どうもハッシーを
刑事物かなんかで見て、であるらしい。

揚げパンは予想通り、歩ちゃんと麻衣夢に大ウケ。
米好き麻衣夢はちゃんとチャーハンを頼んでいたが。
紹興酒を飲んでやや、酔っ払い気味。
昔本屋をやっていていまは八百屋、というおばちゃんと
仲良くなって、話すうちいきなりおばちゃん、麻衣夢に
「あんた、可愛いわねえ!」
と。少々ウケた。
12時、丸ノ内線の最終に何とか乗って帰れた。
オノから同人誌原稿催促メールいっぱい。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa