6日
日曜日
鉄腕ATM
♪コンビニに〜ラララ駅の中に〜今日もATM〜現金おろして〜
※『ノラビト』観賞
朝、8時45分に目のみさますが、さすがにヘバっていて、
母に電話、10時にしてもらうが、結局10時半まで
寝ていた。
朝食はパッションフルーツにメロン。
パッションフルーツはちょっとハマりそうである。
あと、ポテトとセロリのスープ、美味し。
原稿喫緊のもの数種あるが、何もせず。
今日は疲れを抜かないといかん、と身体が危険信号を発している。
本数冊抱えてベッドに横になるが、数ページももたずに
グーと寝る。
寝たときの夢。
戦前のハリウッドに渡って活躍した日本人女優だが
赤狩りにひっかかり行方不明になった人物を追う。
残っているあるパーティでの彼女のポートレイトが、
スピーチをする段になって、バッグから長い巻髪の原稿を
取り出し、みんなが不安がるが、スピーチは三行しか書かれて
おらず、大笑いになるというもの。
ところで、この夢と平行して、イカをおろす夢をずっと見て
いた。何故イカか、とフシギがっていたが、夢の最後のところで
「あ、これは赤狩りのアカとイカの洒落か?」
と思いつく。
買い置いておかねばならないものいろいろあるが買いに出る
のが極めて面倒くさいので通販全面活用。
Tシャツ、黒ホッピー、蕎麦湯氷用のソバ粉など。
『奇想天外シネマテーク』の映画紹介文など。
今回はさすがに見ごたえある作品ばかりで、前売もかなり
好調の由。
4時半、家を出て新宿シアターミラクル、以前『コムテツ』で
舞台をご一緒した小林シュリさん作・演出の舞台『ノラビト』に。
トツゲキ倶楽部の横森さんが客演しているということもあり。
シアターミラクル、西武新宿の駅の真ん前というかなり
アクセスのいい場所。80席ほどの客席、ほぼ満席。
照明は権藤さん。ちょっと挨拶。
横森さんからは
「笑いの全然ないダークな芝居で、私の役は頭のおかしい女です」
とあったので、前衛的で難解なものか、と心配していたのだが、
そうではなく、ホームレスたちに焦点を当てた、いきどころのない
人たちの物語。
それぞれに過去があり、それぞれに理由があってホームレスに
なっている人物たちの人生模様を描いた芝居で、確かにダークな
内容もあるが、しかし総じて明るい感じで最後まで観られたのは、
演じる役者たちが若く、はつらつとしていたからだろう。
これで本気で人生背負った年齢の役者たちが上手くやったら、
かなりヘビーな芝居になって観るのがつらくなったと思う。
逆に若いが故のリアルは殺陣で、最後近くに大立ち回りがあるのだが、
次のシーンで出てきた俳優が首筋に赤アザをつくっていた。
体張った迫力ある芝居はいいもの。
横森さんはその中にあって、かつて女優だったというホームレスの
婆さんを、これまで私が観てきた、笑いの芝居の横森さんとは
まったく違う、演劇人なんだな、という芝居で見せていた。
ただ、登場人物のほぼ全員の過去を、回想で見せるのはちょっと
ワンパターンに思えてしまう。もっといろいろ見せ方の工夫が
あってもいいように思う。
シュリちゃんに、終って挨拶。
久しぶりにこういう芝居観たけど、よかった、と感想述べる。
なんだかんだ言って、私は演劇というものがやはり好きなのだな、
と、こういう舞台を観るとつくづく思う。
もちろん、横森さんにも挨拶。
出て7時。地下鉄で帰宅し、サントクで買い物。
夕食は鶏肉のエスニック風。
骨付きのぶつ切り鶏を水と酒で1時間、ネギと生姜一片と一緒に
茹でる。すりゴマ、おろしニンニク、おろし生姜、豆板醤、
ナンプラー、醤油、砂糖、ライムの絞り汁を混ぜたソースに、
青ネギと香菜のみじん切りを加えて、鶏肉にかけて食べる。
うまい! と思わず声を出した出来。
DVDで『悪魔くん』、『妖術師バラモン』『妖怪としぬすみ』
『モルゴン』『黒猫館』『怪奇雪女』『地獄脱出作戦』と続けて。
『ウルトラマン』と同じ年の制作でありながら、そして共に
特撮番組黄金時代初期の傑作ながら、方向性、話の作り方が
全く違うことに改めて感心。
円谷プロの『ウルトラマン』が、基本的に海外の短編SF的な
構成を持ったアイデア・ストーリィなのに対し、『悪魔くん』は
ムード中心のグラン・ギニョール。脚本も、リアリズムなど平気で
無視した戯画調のものになっている。最近の私の好みはこっちの
方に偏っているかな。
要は、『ウルトラマン』は健全、『悪魔くん』にはどこか
怪しさが漂うのである。ちょっと見には『悪魔くん』の方が
子供っぽいと思えるかもしれないが、実は子供を出すことで
中和させていても、あれは大人の世界の怪しさを、ドアの隙間
からちょっとのぞくのに似ている快感を感じさせる仕組なのである。
そういえば、この番組の紹介サイトに、中野貴雄の『アクメくん』を、
「アダルト指向のビデオ 作品なので詳細はコメントしないが」
とタイトルも出していないが、
「この作品の持つ、ある種の”いかがわしさ” をチープな画面の中で
的確に描き出している傑作」
と評価しているところがあった。わかる人にはわかるのである。