裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

25日

金曜日

予言者操業

いやもう、休む暇なく次の地震の予言で……。

※アスペクトコラム原稿 朝日書評&『週刊昭和』ゲラチェック

いろいろ雑多な夢。
わたし処女病なんですけどーという女性に相談受けたり、
日本の温泉地を秘かに押さえているマフィア流れの
ゴッケ・ジョビーニと名乗る組織が出てきたり。

朝8時45分起床。
何だかゴキゲンである。
9時朝食。
桃が甘かったのでやはりラム酒かと訊いたら、今日のは
本当に甘い、とのこと。
それとスイカ。

書評用読書。
その前に読んでいた中野正夫『ゲバルト時代』に、
ノストラダムスの話が出てきたのにちょっと笑った。
著者の友人の学生運動家Tが酒の席で話してくれたということで
これが五島勉の本が出る三年前。
「忘れた頃に五島本が出てびっくりしたものだ。早速買って読んで
みたら、Tの言っていたことと一緒で、なあーんだと思った」
Tという男はナチスやゲッベルスがらみの知識として、
ナチスがノストラダムスの詩を予言詩として利用した、ということを
勉強していたようだ。
「うがった見方をすれば、当時、講談社や光文社、祥伝社あたり
のライターやトップ屋連中は、早稲田の活動家崩れが多く、
そのつながりでライターをやっていた五島勉がネタを仕入れ、
単行本として書き上げたのが、たまたま騒然とした社会不安や世紀末
とあいまって、ベストセラーになったのではないか」
と著者は言っている。

実際は『ノストラダムスの大予言』の前にも黒沼健や大伴昌司などが
ノストラダムスのことはいろいろ書いていたから、決してそんなに
レアな知識ではなかったが、大学紛争の最中、学生運動家も
マルクスやエンゲルスばかりでなくノストラダムスまで研究していたのか
と思うとちょっと面白い。

電話あり、赤本を出している教学社から。
私の『新UFO入門』の赤本採録(今年の某私立大の長文読解問題
になった)の許可についての問い合わせ。
OKの手紙は出したはずなのだが、まだ届いていないらしい。
しかし、京都の出版社だということは知っていたが、電話の女性の
しゃべりが完璧な京都弁だったのでちと感心。
やはり地方言葉は残さないと。

昨日食事の最中に、左奥歯の金冠が外れた。で、金冠を支える
削り残しの出っ張りが頬の内部に当たって、少し腫れている。
歯医者にもしばらく行っていない。
そろそろまた通うか? 
とはいえ、以前通っていた西永福の歯科は、丁寧ないい治療をして
くれたところだが、今の忙しさではとても通えない場所。
思えば最後の診療で受付の女性が、ひょっとして……という表情で
「お忙しいですか?」
「ええ、まあ最近ちょっと」
「……テレビの仕事とかで?」
「え、ああ、まあ、あの『トリビア』で」
「あ、やっぱり! ヒットおめでとうございます」
と言ってくれた。いつも診療名簿で見ている名前がテロップに
流れたのでひょっとして……と思ったのだろう。
確かに、あれ以前と以降では忙しさがまるで違う。

昼は8番ラーメン。
くんせい卵を添えて。
メディアファクトリーのSさんと電話、『奇想天外シネマテーク』
での予約販売をするかどうかについて。
会社によってなかなか勝手が違う。
杉浦哲郎くんから日曜のライブについて連絡。
オノとはメール。例の小倉智昭特番、とりあえずカチあっていた
イベントは向うの方から日をずらしてきた。あとは収録終了時間の
問題のみ。

アスペクトコラム一本(400字詰め換算5枚半)書いてメール、
3時、家を出てバス乗り継ぎで渋谷。
東急ハンズで買い物し、パルコにも行く。
いい夏服でもあればと思ったのだが、もう私の年齢の着られる
ような服はナシ。丸井か三越が似合いの歳になったか。

事務所のマンション、廊下がオーブンの中のように暑い。
汗がエレベーターから自室のドアのところまで歩いていくまでに
吹き出てシャツがぐしょぐしょ。
置きシャツに着替える。

朝日新聞書評ゲラチェック。一語を“膝を打つ”に変えたら
今度は“膝”の字も使えないことが判明。やれやれ。
『週刊昭和』からも色稿が届いている。
字数調整以外に不明点などないようなので、返送は週明け。
しかしデータ送付とかでなく、返送用封筒まで同封のゲラチェックは
久しぶり。執筆者にパソコン対応でない人が多いのだろうな。

それからビデオとLDのチェック。
ハッシーから電話。29日、声優雑誌が今回の公演につき
インタビューしてくれるとのこと。
明日から1日(金)まで、ずーっとスケジュール埋まりっぱなし。

久しぶりに(今日はサントクが休みなので)東急本店の紀ノ国屋で
買い物。さすが紀ノ国屋で、スネ肉でもいいお値段。
とはいえ、サントクには置いてないので買い込む。
渋谷駅まで歩いて、バスに乗り込んで帰宅。
ところが途中で、せっかくスネ肉を買ったのに、
ソース用の材料を買ってなかった、と気がついて、
幡ヶ谷で下車。バス停前のスーパーでパセリ、ニンニクなど
買い込む。

帰宅、仙台の人(本人ではなくその旦那さん)とちょっと電話で。
回復傾向にある模様でホッとする。
企画原稿一本ひねくりまわす。
久しぶりに尾針からもメール、子育て(お腹の子も含め)も
順調ながら、仕事への意欲も失わずオーディションとかに
足を運んでいるとか。嬉しくなる。

9時、今日はもう仕事する気失せて、酒、酒と決め込む。
能登のこうでんさんからいただいたサザエと、金沢の
しまあにさんからいただいた凍結酒に安達Oさんからいただいた
徳島のすだちを絞って。
何かいただきものばかりであるが。

サザエは自らの殻が容器になり、その殻の中に煮られる際の
水分とダシを全部持っているという因果なパック食料生物で、
火にかけるだけでおいしく食べられる。
まあ、それに醤油をちょっとたらすのが海水浴場でおなじみの
壺焼きだが、以前ビールのCMで覚えた、味噌焼きというのも
試みてみた。殻の縁にちょいと味噌をなすっておくだけで、
吹き出た水分が味噌を溶かし、味噌味壺焼きになる。
これも趣向が代わって結構。
全部で7〜8個食べたが、まだ二十個近く残っているので
K子に、虎の子にでも持ち込んでくれと言っておく。

それだけでは腹が膨れないので、買ったスネ肉を二時間、
茹でておいたものをパセリソース(潰したアンチョビで塩味をつけた)
で食す。やはりスネ肉は茹でるとコンドロイチン分がねっとりとして
うまい。酒は焼酎『黄金波』。
細かくメモ取りながら中川信夫作品を何本か見ているうち、
2時過ぎになってしまった。

☆19日の日記、アップしました。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa