3日
木曜日
ドクターヘリに乗ったドクターヘル
「ふっふ、兜甲児め、わしがここで緊急医療をしているとは思うまい」
(声・富田耕生)
※『山本ひろし物語』特典対談 『崖の上のポニョ』試写 ミリオン打ち合わせ 麻衣夢ライブ@恵比寿天窓
知り合いの結婚式に呼ばれてスピーチする。
大受けだったので、二次会でもスピーチを頼まれる。
じゃあというので三次会でもスピーチを強要され、
キレるという夢。
8時半起床。
メールチェック。
仕事ぎっしり、ただしテレビだとかイベントだとかで
執筆の時間がとれず、憂鬱。
本末転倒になってはいかんのであるが。
19日の『世界一……』は正式決定。
昼に収録して、大急ぎで『あずさ』で長野入りすることになる。
9時朝食、バナナとマンゴー。
台湾にいけないせいか、マンゴーをやたら身体が欲している。
食べて雑用、すぐ12時になってしまう。
12時半、家を出て新宿へ。
さいとうさんに開店前のロフトプラスワンを使わせてもらって、
山本会長とDVD『山本ひろし物語』特典対談。
実際のと学会成立のエピソードや、なぜ運営委員に同世代同士が
集まったか、揺籃期のSFとトンデモの類似点、
怪獣映画とトンデモの類似点など、30分ほど話す。
終ったあともまだ雑談していたら、オノが
「こっちの方がオモシロイ!」
とカメラ回していた。
そこを出て、丸ノ内線、日比谷線乗り継いで日比谷。
日比谷シャンテビル11階の東宝試写室で宮崎駿『崖の上のポニョ』
見る。角川書店Oさんと偶然、一階ロビーで出会った。
Oさんはオノの大学での同級生。
このあいだ友人の結婚式だかで会って、いま、何してるのに
お互いなって、オノが唐沢俊一のマネージャーだと言ったら、
「仕事頼んでいい?」
になったというものらしい。
しかし東宝の本社、以前に比べて立派になった。
映画産業は以前のビル時代の方が活気があったと思うのだが。
試写室もおしゃれ。
で、『崖の上のポニョ』。
くわしくは原稿で書くのでそれを参照していただきたいが、
宮崎駿氏が
「どうだい、ボクは枯れることだって出来るんだぞ!」
と、凄まじいパワーではしゃぎまくっているような作品だった。
パンフでは“お迎えが来る日を指折り数えられる年齢になった”
とか殊勝なことを言っているが、なんか、息子より長生き
するんじゃないか、という気さえする作品である。
日本における最後の“化物クリエイター”であろう。
終って、日比谷線、丸の内線で次は新宿に舞い戻る。
途中、携帯に週刊現代Mくんからメール転送、インタビュー
原稿まとめチェック。携帯でチェックしたのは初めて。
まあ、ネタがネタだけに超あたらずさわらずのコメントに
なってしまっている。つまらんことを言うやつだ、と読者は
思うことだろう。
東口らんぶる。ミリオン出版Yくんと打ち合わせ。
次回の唐沢商会猟奇本、内容の詰めと制作スケジュール。
まあ、こっちの制作に関してはK子がからむのでまず、
遅れはあるまい。
20分で打ち合わせ終えて(なにしろYくんの事務手続き進行の
ダンドリのよさは井上デザインが惚れ込んで、引き抜き工作を
行ったこともあるくらいである)、出たところでタイミングよく
メディアファクトリーSくんから電話、さっき連想した井上
デザインの装丁の件だった。
メトロ食堂街で万世のパーコーメンを食べ、
差し入れのケーキを買って(だいたい、招待してくれたチケット
代金と同じくらいになるようみつくろう)タクシーで恵比寿に移動。
いや、今日は移動に継ぐ移動である。
恵比寿天窓において、麻衣夢ちゃんライブ。
恵比寿天窓は大変におしゃれで雰囲気のあるところ、と聞いて
いたが確かに。事務所の人に挨拶して、差し入れを手渡し、
後から来たTくん、rikiさんと席につく。
たぶん、ステージ上からでもクタビレた顔がわかったんじゃないか
と思うが、歌声でだいぶ癒された。
MCで沖縄みやげの話もいくつか出る。地元のFM局などに出まくった
話など。私の名も出た。思うのだが、MCのときはもっとコテコテの大阪弁
使ってもいいのではないかな。それと曲とのコントラストが
客への印象を強くすると思うのだが。
沖縄みやげのTシャツ(彼女とおそろい)もらい、
Tくんと一緒に駅まで。
別れて山手線で新宿、かなりクタビレたので、
タクシーで帰宅。
早寝をしようと、貝味噌焼きを赤貝舌と小柱で作り、黒ホッピー。
DVDでハヤブサ・ヒデトの『怪傑ハヤブサ』などを見ていたら、
結局1時ころになってしまい早寝にならず。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00158ZBM8/karasawashyun-22
以前、『怪電波の戦慄』を見たが、内容としてはあれと同じ。
ただし、戦前の『怪電波の……』の方が出来がいいのが何とも。
『怪傑ハヤブサ』は1949年の作品だが、当時の何もなかった
時代に、いかにも何もなく作ったという作品で、オッフェンバッハの
『天国と地獄』が主役の登場シーンで必ず流れる、往年の
アクションもの、と言えば聞こえはいいが、戦前のものから
あまりに進歩がなく、脚本があったのかと思うほど筋がわかりにくい。
マクガフィン(何だかわからないが重要なもので、サスペンスを
盛り上げるための小道具。たいてい、善悪双方がそれを取り合って
話が進む)が、ギャング団一味の名前を書いた名簿というのが、
昨今の個人情報流出を連想させて笑える。
主演のハヤブサ・ヒデトは筒井康隆が子供時代に大ファンだった
という俳優だが、戦時中は満映に監督して招かれ、甘粕正彦にも
可愛がられたらしい。自殺を懸念されて警護がつけられていた
甘粕に青酸カリをそっと渡したのはハヤブサとも言われている。
ついこのあいだ、『甘粕正彦 乱心の曠野』(佐野眞一)を
読んだばかりだったので、ちょっと奇縁を感じる。