裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

29日

木曜日

アナ恐ろしや

最近の女子アナは、バカにしているとすぐ玉の輿に乗っちゃったりするからねえ。

※『アストロ劇団ワールドエンド』初日

朝7時起床。
8時半朝食。富有柿、リンゴ(長野のヒコク氏からの到来物)、
スープ代わりの茶椀蒸し。
食べて速攻、という感じで9時に家を出る。
地下鉄丸ノ内線で東京駅。
構内の特売場でワイシャツを1000円で買う。
ジャック(役名)の衣装である。
一応色シャツを持ってきたのだが、
やはり白の方がいいか、と思い、買ったもの。

京浜東北線に乗り、25分で川崎着。
川崎に降りるなどもう十年ぶりくらいであるが、
立派になっているのに驚く。
5階のプラザソルまで。
驚いたことに、大きな花が福沢朗さん個人から届けられていた。

階段を上ったところにある男楽屋に荷物を置き、
今日から四日間、ここで『アストロ劇団ワールドエンド』公演。
ほぼキャスト揃い、音楽、照明のアタリつけ。
『ピンポン!』からも花かご、届いた。

このビルで公演するモノにはIDカードが渡され、それを
使うと業務用エレベーター、従業員用休息室などが使える。
従業員用コンビニなどもある。
そこで塩やきそば買って、食べる。

照明チェックの後、マドが制作した前回までのあらすじビデオを見る。
なかなかの力作。
ゲネプロ、時間がないので後半のみ。
これがちょっと、後でミス(致命的ではなかったが)に
つながってしまった。
終わったあと、一回のショッピングモールの中にある
オープンカフェスペースに行き、そこに入っている佐世保バーガー
を買って楽屋で食べる。何か、やたら腹が空く。
本日の日替わりゲスト、セクシー寄席の面々と挨拶。

7時半、本番。
私が出ていって、みんなとひとからみあり、それから
松山幸次の新聞記者・花野に
「いただいたこの手紙に書いてあること、本当ですか」
と封筒を差し出す。
すると、NC赤英の劇五がその封筒をひったくるようにして
手紙を読む、というシーン。
なんと、封筒の中に手紙が入ってなかった。
前の稽古のとき、封筒からNCが手紙を取り出して読んで、
ひとギャグあってその手紙を再び私が取り、いくつかセリフ
あったところでブラック劇団の幹部、ドラゴンが現れる。
私はそこでその手紙と封筒を胸ポケットにしまうわけだが、
緊迫芝居の途中なのでいちいち封筒にまた手紙を戻さずにしまう。
そこでもうその手紙の件は終わって、次の回までそのまま。
次の回で出る前に、手紙をもう一度封筒の中に収めておくことが
必要になるのだが、ゲネでそのシーンをしなかったため、すっかり
忘れて、収めたままのバラバラで舞台に上がり、封筒のみを
松山くんに提示したのであった。

赤英がそれでテンションがおかしくなったか、次のドラゴンとの
やりとりでわけのわからないトチリをし、ドラゴン役の向川圭介に
突っ込まれていた。申し訳ないことをした。
……しかし、怪我の功名というか、そのトチリでとった笑いで
観客の皆さんもリラックスしたか、どんどんその後、笑いが拡大
していったのは幸い。

あと、もうひとつ、これもゲネをしなかったためのミスで、
私を殺しに来る助川玲くん、ズボンの中に隠した刀がなかなか
抜けず、モタついてしまった。もっとも、これもさっきの
トチリがウケたせいか、お客さんがそのモタつきもギャグなのだろう
と思って全く気がついていないようだった。
ミスはミスでどちらも反省せねばならないが、しかし
どちらもラッキーな状況に助けられたのは運がよかった。

それから先、私はラストまで出番なし。
楽屋で子役の佑季とちょっと話したり。佑季はタコの寿司が
好きらしく、お父さんに買ってきてもらったそれを
喜んで食べて、残りのトロとかを
「食べていいよ」
とみんなに勧めていた。
子供の価値観というのは面白い。

9時半終演。劇場で初日打ち上げ。
会場の係の人(この人が大変に親切かつ面白い)から差し入れの
シャンパンや大友恵理さん(客演予定だったが自分の劇団の
稽古開始が早まり出演できなくなった)の差し入れのビールなどで
乾杯。何はともあれ、幕を上げられてめでたし。

みんなでワイワイやった後、11時、解散。
テリー兄さん(佐々木輝之)に、帰り道
「今回、出番が少なくなって悔しい、と思ってるでしょ!」
と言われる。確かに、忙しくて稽古出られなかったとはいえ。

京浜東北線、中央線と乗り継ぐ。行きはそんなに感じなかったが
帰りの電車に疲れて乗っていると、やはり川崎は遠く感じる。
中野で下りて、オノと『とらじ』で焼肉。
マドも呼ぼうかと思い、電話させたがすでにかなりアルコール入っている
ようで、オノが
「うざい。寝てなさい」
と命令していた。
反省会をちょっとしながら。ロース、カルビ、ホルモン、
レバ刺しなど。最後に冷麺。ここは冷麺に辛子がないのが
(以前頼んだことがあったが店に辛子を用意していない)ちょっと
残念。帰宅、2時。出番少なしとはいえ、やはりクタビレる。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa