7日
木曜日
恋人も濡れる将門
皇位だけが俺を迷わせる、皇位びとも濡れる将門〜(中村雅俊・歌)。朝5時起きでパソのぞいたら、昨日書いたように地震情報があり、ちょっと驚く。まだ寝ている K子のところに行って、
「昨日地震があったんだってね、寝ていて全然知らなかった」
と言ったら、ちゃんと起こしたじゃない、と言う。起こされた私は窓の方に行って外の様子を確かめ、台所の火を点検したらしい。……なかなか一家の主としては立派 であるが、困ったことにそれを全然覚えていないのである。
朝食7時半。母も地震は灯りがつるすタイプではないので最初気がつかないでいたが、台所にかけてある調理器具類がガチャガチャ鳴るので、あらと気がついたとか。朝食、バナナ、ブドー。血圧を測るが、酒のあしたのせいか、また高数値になってし まっていた。残念。
メール、山田誠二さんはじめお見舞いのものにはお礼と無事ですという返事、また昨日夜別れた土田さんやおぐりゆかには大丈夫でしたか、のメール。二人からはほどなく返事が来るが(村木さんに出さなかったのは、ヤローはどうでもいいという意識と、まああの人ならどんな状況でも生き延びるだろうという予測があったので)、こ れがいかにもというキャラの対照による体験談で、傑作。土田さんは
「バスから降り家に向かって歩いている途中で遭遇したのですが、突然、周囲の団地の窓ガラスが一斉にガタガタガタタ!!! と揺れ出しましたもので、私、団地に潰される!!! と、どうしたらよいのか分からず、しばらく道のど真ん中に立ち尽くしておりました」
という女の子らしい恐怖談。一方のおぐりゆかは、
「地震は……。実は、激しく酔っ払っていて、帰宅途中で歩いていたこともありまして、まったく気付かなかったのです。ので、ぜんっぜん大丈夫でございます」
と、相変わらず常人とは違うノリ。なにか、志ん生の関東大震災のときのエピソードみたいだ(酒屋の樽から酒があふれ出していたのでタダでたらふく飲んで、ご機嫌で歩いたら足元のふらつきと地震の揺れが同調したのでまっすぐに歩けた、というやつ)。
バスで仕事場へ。昨日、私が午後、ずっとスタジオでの収録(とその後の酒)で出ていた時間を見計らい、平塚くんがパソコンのメンテに来てくれていた。起動画面などが大変スッキリしたものになっている……が、どうも調子がおかしい。接続がうまくいかないし、すぐ切れる。電話が鳴っても全部ワン切りで出る前に切れてしまい、FAXにつながってしまう。電話機の前でしばらく電話機を見つめるように頑張っていて、鳴ったかみたかでサッと受話器をとったら、なんとかとれて話が出来た。しかしとにかく、これでは電話の用をなさない。平塚くんにその旨を電話。説明したら、 あわてて今夜、トンできてくれることに。
昼はシャケのオニギリ一個。それと納豆。カルシウムをとるため。2時半、ブックファーストに立ち寄りマンガ本20冊ほど買い込み、重い紙袋をかかえて時間割へ。今までケイズファクトリーが編集していた『漢字天国』の連載、今度から出版元のワンダーブック社の直接編集になるので、その打ち合わせ。時間割へ行ってみたら、新担当のKさんと旧担当のSさん、それにイラストの中川雪子さんが名刺交換を入り口 前でやっていたので、中でやりましょうよ、とうながす。
打ち合わせというか引き継ぎそのものはすぐ終わり、あと雑談。漢字雑誌なので、字画ばなしなどちょっと。そのうちお食事会やりましょう、と旧担当Sさん、中川さんと話して別れる。家に帰って仕事、と思うが、気圧の乱れ(台風が近づいているのではなはだしい)ひどく、とても何も出来たものでない。寝転がってマンガばかり。 講談社Web現代Yくんからメール、録音スタジオは9日(土)で押さえたとのこと。本当にいろいろやることがあって詰まってきた。デモ体は動かない。原稿資料の 本を書庫に入って探し、ベッドで寝転がって読むが、ダメ。
夜7時過ぎ、平塚くんが来て、不調を見てもらう。メンテし終わったときにはきちんと動いていたということだが、何が原因か。しばらく様子を見ていたが、長くかかりそうだというので、鍵を預けて、先に引き取らせてもらう。タクシーで帰宅。雨の中。K子と揃って母の部屋へ。久しぶりの釜飯、刺身などで夕食。酒が変に回ってし まうのも気圧のせい。