裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

29日

水曜日

ホームページ完成

 終日原稿書かず、HP用の日記やリードを書いて過ごす。 大森望氏がホームページのすばらしさを歌い上げている脇で水玉蛍之丞 さんが「・・・・・・それって要するにタダ仕事が増えるってだけでは?」
 とつぶやいているマンガがあったな。
 3時、マガジンハウスと打ち合わせ。『キッチュの花園』単行本化の件。前編集長が書籍に移行したんで、そのまま彼が担当になる。この連載には理解のある人だったので、まずは安心。装丁のみ毎回上品すぎて不満だったので、変えてくれるよう頼む。平凡パンチでの私のデビュー当時の話をいろいろ。
 柳下毅一郎氏から翻訳書恵贈。パンドラ発行『コリン・マッケンジー物語』。映画草創期にニュージーランドでD・W・グリフィスに匹敵する業績を残し、一九○○年代初頭にすでにトーキー、カラー映画を独力で実現させていた、忘れられた天才映画作家コリン・マッケンジーの評伝。今度、偶然発見されたフィルムをもとに『バッド・テイスト』のピーター・ジャクソンが復元・構成した映画も公開され、映画史を書き換える再評価の機運が高まっているという。
 原著者の名前がデレク・A・スミシーで、
「父親のアランはハリウッドで長く活躍している映画監督だという」
 と訳者が後書きに書いているが、さて、どれだけの人がこれでわかるのかな。
 大和書房から今度出る雑文集、初版部数決定の電話。担当のIくん、コウフンした口調で××(特ニ秘ス)部です、驚いてください! と告げる。驚くほどの部数かよ、と思うが、昨今の出版不況の中、これだけ初版刷るのは異例なんだとか。前著『トンデモ一行知識』も増刷。
 5時、井上デザイン事務所平塚くん来宅。こないだデモで作ってきてくれたホームページに、いくつかダメ出したものを改訂する作業。1時間程度で済む予定が、いろいろ細かな指示出して、結局8時半までかかる。まだいくつか工事中はあるものの、なかなかケッコウなものに仕上がった。
 近くの和食屋でメシ。メヒカリの塩焼などという珍しいものが出る。熱燗のうまい気候にやっとなりにけり。

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