東文研日記

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18日

日曜日

料理日記・10『手羽中の唐辛子酢漬け』

中華料理屋で、ときどきお茶うけとかおつまみに出る
鶏の足の酢漬け。
以前、新宿の上海小吃で出たこの酢漬けはメチャうまかったが
辛いことも大したもので、つまんだ指でつい無意識に目の端を
こすったら、痛くて飛び上がったほどだった。

再現してみたいと思うが、鶏の足は日本では一般になかなか手に
入りにくい食材であるし、気味悪がる人もいるだろう。
第一、可食部分が極めて少ないのが面白くない。

そこで、スーパーで売っている手羽中を使って作ってみた。
作り方は簡単で、茹でた手羽中を唐辛子と一緒に酢漬けにする
だけなのだが、やってみるとなかなか理想の味にならない。

まだまだ、完成めざして修業中の料理だが、それでもまあ、
なかなかのものにはなったと思うので紹介してみよう。

手羽中は一人宛、十本は必要なのでそれだけの量を用意する
こと。まずは塩湯でゆがいてアクを取り、改めて酒と水で
じっくりと煮る。ここに塩、味霸(中華スープの素)、粒胡椒、
ニンニク、ショウガ、ローレルなどを加える。八角(スター
アニス)を入れると一気に中華風になる。これは好みで。
私は使わない。塩味を染ませるのが目的なので、塩気は強めで。
茹で汁の量は多すぎないように気をつけて。

数十分茹でて、茹で汁の量が半分以下になったら火を止め、
香りづけの野菜類を取り出して捨て、しばらく冷ます。

冷めたらここに唐辛子酢を入れるわけだが、私はフィリピンの
Datu-Putiという調味酢を使う。
http://www.youtube.com/watch?v=pgaHP_Ms4bM
↑向こうの方でも辛いので有名な調味料らしい。
他に、沖縄の島唐辛子を泡盛につけたコーレーグスなども
いいだろう。その場合は酢を別に足す。

辛味酢をどぼどぼと(茹で汁と同量、もしくはそれ以上)足して
タッパー等に入れ、冷蔵庫で一日以上漬け込む。上で、なかなか
理想の味にならない、と書いたが、その理由は、味がしっかり
と染み込むのを待てず、誘惑にかられて途中で全部食べてしまう
からなのであった(笑)。いや、同じく作っていた友人もそう言って
いたから、これは普遍の現象であるらしい。確かにそんな誘惑
にかられる料理なのだ。

それでも何とかその誘惑に耐え、味が染みたころタッパーの中を
のぞくと、茹で汁がゼラチン分でぷるんぷるんに煮こごっている
だろう。手羽中だけ取り出して皿に盛り、パセリのみじん切りなど
を散らして供し、あとは思うさまむさぼり食う。つまんだ指で目を
こするのには用心した方がいい。

☆で、残った茹で汁だが、これも魔味に属するが、ぷるんぷるん
のそれを熱い飯の上にのせて、ちゅるちゅる溶けるのを、茶漬け
をかきこむ要領で食べる。辛いししょっぱいし、だが、病みつき
になる。40代以上は自己責任で食べてもらいたい。

2012年3月
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