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2013年2月27日投稿

つぶやき日記2月9日〜12日

2月
9日(土)ソチ系

「オリンピック楽しみだね」「いや、俺ソチ系じゃないから」

朝、ベッドの中で野口武彦『江戸人の精神絵図』(講談社学術文庫)読む。野口先生とは朝日新聞の書評委員でご一緒した。いや、その時から、文章のうまい人だなあ、と思っていた。いわゆる名文というより、パワーがあってぐんぐんとこっちを文中に引き込んでいく。この本も、普通ならあまりそこに興味がある読者が大勢いるとは思えない江戸時代の思想史のような分野を、極めてエキサイティングな知的エンタテインメントとして読ませてしまう。感服。

その中で興味を持ったエピソード。「四海波静か」とは太平の世を表す常套句だが、寛政三(1791)年八月、江戸が津波に襲われて三十数人の死者が出たひと月後の月見の宴で、老中松平定信がこの文句を使って歌をよみ、江戸っ子たちに大不興をかったとか。いつの世にも政治家の失言はあるもの。

震災の後で大臣が「我が党はゆるがぬ地盤の上に立ち」と挨拶したみたいなものか。落首が立ったというのは、今で言えばネットで炎上したのと同じか。

http://togetter.com/li/451524 『徳田毅政務官辞任にまつわる様々な憶測。』ただの美人局事件だと思っていたら、お家内紛とか保徳戦争再燃、さらにオノデキタら放射脳からフリーメーソン陰謀まで何でもアリ。

「ナイナイ岡村、峯岸みなみの坊主刈りに関連し“芸能界に人権などない”と内情バクロ」
というニュース。佐久間象山にある人物が「有名になるにはどうしたらいいか」と質問したそうだ。象山「簡単なことだ、裸でよつんばいになって片足をあげて小便をしてわんわん鳴けばよい」「それでは犬と同じです」「人と同じことをして有名になれると思うな」

昼はかつぶしと冷蔵庫の中のスティルトンチーズを使った和風スパゲティ。ちょっとスティルトンが合わなかった。

中国のレーダー照射の報道かまびすし。つけて思い出すのは、
レーザーがLight Amplification by Stimulated Emission of Radiation、レーダーはRadio Detecting and Rangingやったな」
と雑談の中で小松左京がそれを普通につぶやいたというエピソード。予備校生くらいのときだったが、当然、真似して必死で暗記した(笑)。魔夜峰央の『パタリロ!』でもパタリロがレーザーの正式名称を言うシーンがあったが、同じエピソードを魔夜先生も読んだのではないかと思っている。今でもレーザーの話題が出れば、「ああ、ライト・アンプリフィケイション・なんとか」までは言える(笑)。

007のスペクターがSPecial Executive for Counter-intelligence, Terrorism, Revenge and Extortion(対敵情報、テロ、復讐、強要を目的とする特別機関)、ナポレオン・ソロのスラッシュがTechnological Hierarchy for the Removal of Undesirables and the Subjugation of Humanity(人類征服の目的のもと好ましからざる存在を除去するための技術的階層)。いずれも当時はスラスラ言えたがもう完全に忘れた。

この話題を思い出すとき、片山まさゆきの『スーパーズガン』の「WHOの正式名称は?」「誰!」というギャグも必ず並んで思い出す。

ジェシカおばさんの事件簿『クラリネットのすすり泣き』セントルイスでの死んだジャズマンの葬式で演奏されるのが『セントジェームズ病院』。わかる人には泣ける選曲。歌詞はこちら参照。http://blog.hix05.com/blog/2010/01/-st-james-infirmary.html

http://www.youtube.com/watch?v=NUHTiNMFGnA われわれアニドウものにとっての『セント・ジェームズ病院』はこれ。4:19あたりから。『ベティの白雪姫』の、毒リンゴで死んだ白雪姫を弔うグルーミィなココの歌。歌うはキャブ・キャロウェイ。動きもそのトレース。

食べたもの。朝:モロッコいんげんお浸し、シャケ漬け焼き。ご飯、味噌汁、果物。昼:おかかスパゲティ。もなか。夜:鴨とエリンギのブルーベリー炒め、天かす冷や奴、塩トマト。


10日(日)夏季競馬 鐘が鳴るなり法隆寺

鐘が鳴るのは競輪だろ。

mixi、すでに籍だけはあってログインを一年以上していない人中心に、100人以上を整理。400人までにマイミクを減らす。本当は250人くらいにまで絞りたいのだが、これがなかなか大変で。

朝食後の果物、デコポン。この果物も、スーパーなどで手軽に手に入るようになってまだ十数年しか経ってない。デコポンというネーミングはポンカンの改良種というところから来ているのだろうが、ポンカンのポンはインドの地名Poonaで、プーナの柑橘類という意味。デコ(凸)のあるPoonaでは意味をなさない。とはいえ、デコポンという響きはまことに結構で傑作ネーミングである。ところが、このデコポンは正式名称でなく商品としての登録名称で、果実の品種としての本名は不知火(しらぬひ)というそうな。不知火の中で糖度13度以上のものをデコポンと称していたのが一般化したという。そのユーモラスな形状と、デコポンという響きの馴染みやすさがこの果物をポピュラーな存在にしたのだと思う。不知火、では子供に受けない。

昨日、『八重の桜』を見たが、西田敏行が西郷頼母役でレギュラー出演している。西田は38年前、『新・坊っちゃん』(市川森一脚本)でも、会津志士の流れという設定の山嵐役を演じている。今見てみると痩せていて、いまの西田氏しか知らない人には、とても同一人物とは思えまい。

この間この日記でdisった原口元総務省の発言だが、民主党支持者の間には「レーダー照射された緯度経度をGoogle Earthで確認すれば場所は分かるだろう──というニュアンスと取れなくはない」という擁護もあったようだ。しかるに原口氏自身がその弁明に、
「日本もアメリカも中国も、それぞれ衛星を打ち上げており、国家であれば“衛星画像をみれば分かることではないか”というのが真意」
「ただし、グーグルアースで全く見えないかというと、それは何とも言えません。過去の衛星画像などを張り合わせたものがグーグルアースの画像とされています。リアルタイムで見えることはなくても、過去の画像があれば、原理的には見えるかもしれません」

などと言わでものことを言って、擁護を台無しにした模様。

マイミクのホーキング青山さんが日記で、「スタッフの若い子に、“シジミの味噌汁のシジミは単なるダシがらだから、食べるものではない”と言われた」と書いていた。どう思います? とあったので、
「子母沢寛の『味覚極楽』に、懐石料理で出たシジミの味噌汁のシジミの実をちゅっ、と吸って、椀の蓋の上に並べたという描写があるので、食べてもいいでしょう
とコメントしておいた。そのコメを当該のスタッフに青山さんが見せたら、
「豚骨ラーメンの豚骨は食べない、鶏がらスープの鶏がらも食べないでしょう」
との答えだったとのこと。干し椎茸もどしたら椎茸捨てるのか、牡蛎ご飯炊けたら牡蛎は捨てるのか、そいつ?ww

食べたもの。早朝:スイートポテト一ヶ、缶コーヒー一缶。朝:まぐろのやまかけ、モズク味噌汁。果物(デコポン)。昼:最中一ヶ。夜:スペアリブ和風煮。シジミ味噌汁。塩トマト。油揚炒め。発泡酒、黒ホッピー、緑茶ハイ。ホーキングさんの日記でシジミ味噌汁について書き込みしたら飲みたくなっちゃった。


11日(月)恋人よこれが私の日中韓の仕事です

♪月曜日に竹島出かけ 領海を侵犯してた〜

今朝、夢でアルミの皿に盛られたあんかけスパゲティの大盛りを完食した。この歳で食い気の夢というのも情けない。色っぽいのがみたいよー。

百済のことをちょっと調べる。百済王ってキング・クダラか。首が三つありそうだな。

俳優・井上昭文氏、1月28日死去。87歳。わあ、もうお亡くなりだとばかり。インタビューしたかった! 世間には『西武警察』(82)の巽刑事で知られている人だろうが、私的には『レインボーマン』(72)のダイバダッタ。顔が死ね死ね団の怪人より怖かった。あと『ハレンチ学園』(70)の丸ゴシ先生。レインボーマンの後、『国盗り物語』(73)の、雑賀孫市(林隆三)の親父で鉄砲集団雑賀党の党首だが、浄土真宗にかぶれて念仏ばかり唱えている役で出てきた。どうも私の中では宗教キャラというイメージである。高校野球の大ファンで、甲子園のアルプス席にはいつもその姿があったという。日本の映画・テレビを面白くしてくれてありがとうございます、という感謝の念を込めて、黙祷。

梶原一騎翻案による『モンテ・クリスト伯』、『復讐記』(1969、画・影丸譲也)が復刻されていたのを知り、購入。記憶はアテにならぬもので、 ずっと『復讐鬼』だと思い込み、掲載誌もマガジンだとばかり思っていたらキングか。このコンビはマガジンにメルビルの『白鯨』を連載していたから、勘違いもまあ仕方ない。

第一回から最終回の間に途中の記憶抜けがあるのはキング連載だったからなのだな。サンデー、マガジンだったら毎週買っていたから全部憶えているはず。そもそも、マガジンにはみなもと太郎が1972年に『モンテ・クリスト伯』を連載している。考えてみればそんな“つく”原作を編集部が連載させるわけもない。

山賊ルイジ・バンパが少年誌らしく、少年山賊になっていた(親の初代バンパが捕えられ絞首刑になったあと、その後を継いで子分たちを率いているという設定)のが印象的。あと、このバンパに捕らわれたダングラールが牢の中からありがねはたいて注文した食事の、「ひな鳥の蒸し焼き」というのが非常にうまそうだったのも強烈な記憶。小学生のころから食い物に興味があったらしい。

一方のみなもとヴァージョンはその4年後。こっちはダンテスが最後に愛する娘・エデがストリッパーという設定だったりして、さすが『ホモホモ7』の作者、 という感じだった。思えば69年と72年の、ほんの数年間で少年マンガは大きな変化を遂げたのだなあ、ということがわかる。

このエデのストリップシーンで、彼女がセパレート衣装の、下の方だけ脱いでいるコマがあり(当然隠してはいるが)、当時中学の親友だった小柳という男が、 「なぜ胸を見せずに下だけ取るのか。外国のストリップというのはそうなのか?」しつこく質問してきて閉口したのを記憶している(笑)。

そう言えばエデのダンテスへのフェラシーン(ズボンの上からだが)もあった。ひな鳥の蒸し焼きからストリップへと、成長期の興味の変化の露骨さがわかるな(笑)。今の私はまた今朝の夢のように食欲の方に戻ってしまったようだ。

ちなみにデュマの原作は未読。黒岩涙香の『岩窟王』は読んでるのだが。エドモン・ダンテスが團友太郎、モンテ・クリスト伯は巌窟島(いわやじま)伯爵、ダングラールが段倉、ビルフォールが蛭峰になっていた。話はフランスのままなのに。ルイジ・バンパは「鬼小僧」。梶原・影丸版のバンパが少年なのは、ここからか?

デュマ原作にあるセリフかどうか知らないが、この涙香版で強烈に印象に残ったセリフが、巌窟島伯爵が段倉を評して吐き捨てるセリフ。
「商人などという連中は、金になりさえすれば自分の鼻でも切って売る」

ファリア神父は梁谷法師。このキャラ、影丸版ではごく普通の老人で、あまり記憶に残っていない。みなもと版では『ホモホモ7』の長官が“演じて”いて、主人公のダンテスと「何だか初めて会 う気がしませんなあ」と楽屋オチを言っていた。ここらへん、手塚治虫のスター・システムの最も忠実な継承者だったな、みなもと太郎は。

実はこのファリア神父(アベ・ファリア)は同名の実在人物がモデルで、実際に原作中でダンテスが捕らわれていたシャトー・ディフ監獄に一時収監されてい た。デュマの作品ではイタリア人だが、実際はポルトガル人。催眠術治療の普及者として有名で、あのメスメルの後継者であったという。こっちを主役にして作品を描いても面白くなりそうだ。

食べたもの。早朝:豆大福一個、缶コーヒー。朝:野菜スープ、肉とブロッコリのフライ、果物。昼:最中二個、豆乳。夜:銀ダラ湯豆腐、トマト、桜えびマスカルポーネ和え、梅おこわ。発泡酒、黒ホッピー。

12日(火)生きて路チューのはずかしめを受けず

モナ男とか呼ばれて、よく自殺しないな。

早朝、窓の外がしらじら明けてくる様子をみながら連絡文など作成。飽きるとネットのぞく。 若い人たちの(若くない人も多いがw)書き込みでガルパンというのを見るとキャプテンウルトラか、と思い(あれはガルバン)、ルルロロと見るとバロム1かと思ってしまう(あれはルロロロ)。

http://jump.cx/ZCLeqベネディクト16世退位の理由推測、加齢説、カトリックスキャンダル説等いろいろ。「スターウォーズの新作の制作が決まったので忙しくなったんだろう」というのが一番笑った。

ローマ法王の正式な死亡確認法は、首席枢機卿が耳元で名前を大声で呼び、さらに額を金槌(銀製)で三回叩いて、反応がないかどうか見る。さすがに1990年代になって医者の診断になったが、まだ儀式としては行われているらしい。・・・・・・こんなことされるのが嫌で生きてるうちの退位を決めたんじゃないのか。

予算委員会、民主党後藤祐一の質問をテレビで見る。後藤氏は「今後の日本は人口が減少していくのだから、もう経済的成長は見込めない」と、最初から悲観論を基礎に論戦している。評論家ならともかく、政治家としては失格だろう。思えば民主政権の3年3ヶ月というのはそういう悲観論を基本にした政治家たちが上に立っていたことによる、国民の鬱屈が蔓延した3年3ヶ月であったろう。

ちなみに、「人口減少だから経済成長できない」論は、ここで検証されている。
http://ameblo.jp/hirohitorigoto/entry-11158401143.html

鳩山由紀夫、邦夫兄弟の母、安子氏死去。由紀夫氏インタビューに答え、「母いなければ民主なかった」と。ダメだよ由紀夫くん、そんなこと言ったらお母さまがいなかった方が日本のためによかったことになってしまうじゃないか。

12時半、TBS入り。北朝鮮のミサイル発射のせいでコーナー飛ぶ可能性あるそうで、なんとなく落ち着かない。・・・・・・結局やったが、ラスト1分30秒、北朝鮮に持っていかれたのでアドリブほとんど出来ず。とはいえ、用意した問題飛ばさなかったのでスタッフは喜んでいた模様。

新宿までハイヤーで送ってもらい、小田急で買い物。晩飯の材料を買い込んでから「あ、今日も明日も夜は飲み会だった」と気づく。シジミまた買ってしまったので母の室に「明日の味噌汁用に」と渡したら、母もアサリを味噌汁用に買っていた。

6時、中野駅で中澤くん、テヤマと待ち合わせ、さらに藤田昌代ちゃん加わり、遅れて助ちゃん。4月参加の確認と、現在音響の星くんがすでに予約入っていて参加NGなので、その対応をどうしようかという話。まあ、それは最初の十数分で、あとは芝居ばなし。

そこで紹興酒三本くらい飲んで、それからアボットチョイス、アルコール全然ダメの助ちゃんが、ギネス飲みたがって、飲んですぐヨッパラッテいた。私はギネスと、それからアイリッシュウイスキー。

食べたもの。早朝:みたらし餅、豆乳。朝:すっぽんの雑炊。果物(葡萄)。昼:ちょっと前の鍋のダシでうどん。夜:役者・スタッフと金竜門で羊しゃぶしゃぶ。そのあと二軒目、アボットチョイス。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa