１２月
２４日（月）辣腕アトム
毎週放送のテレビアニメを日本で確立させるとは、やるねえ。

さほど疲れがたまった感じはないが、とにかくベッドの中でだらだらする。だらだらできるのは公演終わり翌日の特権だと思って。１２時近くに起き出して、カツカレー食う。何か最近、こればかり食っている気が。

舞台関係の方々にメール。いろんな思い出が脳裏をよぎる。次にＴＡＣＣＳで公演できるのは再来年くらいかな。ところで、この劇場、まだ新しく、設備も整い、駅からも近く、本当にいい劇場だった。ただし、今回の公演中、役者たちから、
「“出る”のではないか、ここ」
という噂が立った。

二日目だったか、上手（かみて）袖にスタンバっていた役者さんがふと見ると、暗がりで出を待っている共演者の隣にはっきりともうひとり、ちゃんと衣装らしいものを身につけた人物が立っているのを見かけたらしい。

また、舞台上でセリフを喋っている最中、自分の後ろで舌打ちをする音が聞こえ、人のセリフ食ってしまった（その人のセリフのところで自分のセリフを言ってしまった）かと、思わず振り向いたら壁で、誰も立てる訳がないことに気がついてゾッとした、という役者さんもいた。


私自身、最後部の演出家席にいて、暗転中に大柄な人物が隣の席に座ろうとしている気配を感じ、お客さんかと思っていたが、明かりがついたら誰もいなかった（そもそもプロジェクター台でその席はツブしていた）ということがあった。



仮にもと学会員であるし、永年その類いの話を頭から否定し続けてきた。今でもこれっぱかしも信じてはいない。しかし、実際そういう噂が、自分のユニットの内部で広がって、しかも
「いかにも芝居小屋にありがちなシチュエーションである」
ということが、なんとなくゾクゾクものなんである。

この感覚は中学生時代以来ではあるまいか。

中学生時代、つまり思春期である。人間は思春期には身体と精神のバランスが崩れ、金縛りにあったり、幽霊を見たりする。多分、であるが、役者というのは劇場入りするとアドレナリンが出て、思春期の体調、精神状態に戻ってしまう生き物なのだ。

芝居に熱が入り、役者やスタッフの脳にアドレナリンが分泌されるとそういうものが見える。

多分、今回の芝居に、みんなをそういう状態にしてしまう「何か」があったのだ。いい芝居ほど、そういう現象は起こるのだ。そう思いたい。

食べたもの。朝昼兼用：カツカレー。コンビニで買ったものだがカツカレーはやはり偉大だ。夜：母の室で大阪から到来の肉を、最初バタ焼きで、それからすき焼き風で食べ る。缶ビール一本半で酔い、しばらく休んで飲み直し。マッシュルームサラダ、トマト、キャベツと油かすの炒めものなど。黒ホッピー。

２５日（火）七つの威力だアスワン・ハイ・ダム
治水・潅漑・砂漠の緑化・発電・水道供給・観光・ナセルの政治力の宣伝。

年内にしなければならぬこととして、携帯の修理がある。まあ、寝室でエンエンといじくっているからでもあろうが、携帯がいきなり途中でオチるのである。電源入れ直すとすぐまた起動するのだが、このところ、その間隔がせばまってきた。昼に中野駅前のauショップに行く。原因がよくわからないが、とりあえずメーカーに回してみます、ということで、代替機をもらう。その代替機にデータを移すのに３０分ほどかかるというので、近くの更級で天ざる食って昼飯にする。

中沢啓治氏、１９日に死去、７３歳。『はだしのゲン』に関しては、何か絶賛する以外の評価がタブーになってしまった部分があるが、これは中沢氏の罪ではない。私の中でもっとも大きい中沢啓治作品というのは子供のころリアルタイムで読んでいた怪獣映画のコミカライズであり、なかんずく『ガメラ対ギャオス』は傑作だった。詳しくは訃報日記で記すが、ギャオスをホテルの回転展望台に乗せて平衡感覚を狂わせる作戦のとき、主人公（映画では本郷功次郎・演）がギャオスの体重を計算尺で算出する。計算尺で体重がわかるのか、というツッコミをしていた人がいたが、私はこの計算尺が、主人公の高速道路建設技師というキャラクターを一コマで非常によく表していて、いい演出だなあと感心したものである。

１８日にはイラストレーター・依光隆氏死去、８６歳。もちろんペリー・ローダンシリーズの挿絵が有名だが、われわれ世代にとってはジュブナイル小説の挿絵画家であって、それこそ空気のように氏の絵に毎日接しながら育った。盛光社のジュニアＳＦシリーズ、筒井康隆の『時をかける少女』も光瀬龍の『夕ばえ作戦』も眉村卓の『なぞの転校生』も依光隆だった。講談社の少年少女科学名作全集の『宇宙紀元ゼロ年』、『死の金星都市』なども依光隆。最近のアニメ・マンガ絵とは全く違う、本文の内容の邪魔をせず、かつ、主人公のビジュアルイメージを読者が思い描く手助けをするという、本来の挿絵の役割をきちんと守った、折り目正しいペン画だった。氏の描く、清潔感あふれる中学生・高校生の男女の描写の、なんとさわやかだったこと！

代替携帯を受け取って帰宅。ベランダに積み上げている書籍の何箱かを詰め替えて札幌の古書店に送る作業。なかなか手間取る。本というのは重いのう。

夕方、また中野に出て、オノ・テヤマ（それにＳタロー）と、スタッフ忘年会、於金龍門。年賀状、コミケの打ち合わせなども。久々の金龍門でうまいうまいと食べて飲んで、早々と何が何だかわからなくなる。

食べたもの。朝：梨サラダ、ロールキャベツ、リンゴ。昼：中野の更科で代替携帯にデータ移すのを待つ間に天ざる。夜：中野『金龍門』でスタッフ忘年会。シャオヤンロウ（羊肉のしゃぶしゃぶ）、イカ団子、腸詰、老酒。夜中：鮭とば、おでんなどでビール。ＤＶＤチェックしながら。

２６日（水）コチュジャン・アトム
『鉄腕アトム』は韓国が起源ニダ！

ゆうべ、帰宅して９時にぶっ倒れるように寝て、１２時過ぎに目が覚めて、やたら腹が減った。金龍門でも〆のラーメンまで食べていたはずなのだが、とにかく堪えられなくなり、厳寒の中、コンビニに行っておでんを買う。帰宅して食ったが、これは５４年の人生、コンビニが生活の中に入り込んできた３０数年来、初めての経験。･･････うーん、知らないでいてもよかったかも。

それにしても寒い。あまり寒いので道を歩きながら『雪山賛歌』を歌ってしまう（笑）。子供の頃、「俺たちゃ町には住めないからに」の「からに」を「からにィ」と訛ってるんだと思っていた。　http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/45909/m0u/の４、「前の事柄を理由・原因として順当な結果へと続ける意を表す。･･････ので。･･････ゆえに」だと知ったのはいくつの時だったか。

言葉の間違いと言えば昨日、中野駅に行く途中に『おとのおもちゃ』という電飾看板を見た。ずっと
「ああ、“な”の字が抜けてらあ」
と思ったきりで、今朝になってやっと
「ああ、あれは“音のおもちゃ”だったか」
と気がついた。心が汚れてしまっているなあｗｗ。

年賀状デザイン、テヤマから来る。公演ＤＶＤの販売の件についてもＯ氏とメールやりとり。正月準備も次第に進む。

本日、表参道のオサレなフランス料理店にて忘年会のお誘いがあったが、体調不良、というより腰が重くて、キャンセルの返事を出す。やはり公演の疲れが残っている。スーパーで薄切り牛肉買って自家製で肉吸い作って。

公演のＤＶＤ、チェック用のものを二度、見直してしまった。こんなに受けていたか、という場面あり、もっと笑いとれていたハズだが、と思えるところあり。実際にその現場にいても、記録との感覚の違いというのはやたらある。

本日食べたもの。深夜：コンビニおでん、鮭とば。朝：ハンバーグ、梨のサラダ、リンゴ。昼：コンビニカツカレー（ちょいハマり気味）に目玉焼添えて。夜：自家製肉吸いにＴＫＧ。ブラウンマッシュルームのサラダ。ブラウンの方が口当たり好みかも。発泡酒、黒ホッピー。

２７日（木）鉄腕アコム
街角にラララ海の底にそうだアコム自動契約機〜。

いろいろと雑用も先が見えて、年末らしい雰囲気になってくる。年始に来るお客の顔ぶれも決まった。さてと、今日から少しずつ部屋の掃除、と決意だけする。

処分用書籍を荷造り、と言っても５０箱以上あるうちたった２箱だが、札幌のじゃんくまうすさんに送る手配。年末のせいか、集荷がなかなか来ないでイラつく。もっとも、なかなか来ないおかげで、もう一箱、もう一箱と荷造り進み、結局５箱になった。

ちょっと前仕事した某社から連絡、振込通知出す住所を間違えて、振込先を前の口座にしちゃって、あまつさえ振込金額を間違えたと。ご丁寧きわまりない。

ＴＢＳ『ひるおび！』から年明けに出演依頼。また雑学の先生役らしい。今年は舞台優先でテレビの仕事は減らしていたが、来年は少し露出を増やす予定。露出と言えば『スクール革命』も総集編を１３日に流すそうなので、『時間ですよ』（これも番宣がある）含めて１月は大分露出する。

ワールドビジネスサテライト（テレ東）のコメンテーターのロバート・フェルドマン、ゆうべ安倍総理確定の後の株価を評して
「年越し相場というところで……すいません、親父ジョークでした」
と。品のよさでデーブ・スペクターの上をいくな。

いろいろ今年１年、がんばった。自分へのゴホウビとして、欲しかったＤＶＤボックスなどをやたら買い込んでしまう。かなりの額になるが、まあ小銭がちょっと入ったこともあって。

本日食べたもの。朝：海老の塩辛（いただきもの）と味噌汁で炊きたてご飯。昼：かすうどんに揚げをトッピングして。夜：ブテチゲ。銀ダラ、スパム、魚肉ソーセージ入れて。ギョニソは先日の舞台への差し入れ。剥きやすくなったというが、やって見ると確かに、おお。イングランドエール、発泡酒、黒ホッピーのコース。