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2012年11月11日投稿

つぶやき日記11月7日〜9日

7日(水)「まどかマギカ」「何か用か」「九日十日」
オタク落語。

4時頃起床、連絡事項などの確認をネットで。レッドブルにタウリンカプセル。8時、二度寝。10時に起きて朝食とって、さらに三度寝。眠くて眠くて。

『新・トンデモ本の世界』見本届く。全体に目を通す。なかなかまとまりよし。新メンバーの参加もあり、新鮮。私の文章、かなりチェックしたつもりが、言葉の重なり(近い位置で同じ言い回しを使っている)多し。書き足し書き足しで文章を作っていった弊害である。少しガックリ。

冷蔵庫内チェック。油かす、そろそろ切れるので天王寺玉造のサンコーキッチンに二度目の注文。“アブラカス”ってカタカナで書くと、グノーシス派の天使アブラクサスを連想する。なかなか秘教学的な食い物である。

某番組スタッフから電話。出演の他、構成にもちょっと関わることになる。『トリビア』以来だな。打ち合わせ日、こっちに希望を出せと言われて出したが、結局向こうの都合で決まる。苦笑。

バラク・オバマ勝利。それにしても、黒人とモルモン教徒が世界のトップたるアメリカ大統領選を争うという状況は、10年前だったら風刺SFでの近未来の光景であったろう。私はオバマがかつて来日したとき、天皇陛下にほとんど90度のお辞儀をしたのに対し、中国がカリカリして文句をつけたのを欣快と感じた人間なので、共和党支持ではあるものの、今回のオバマ再選はまず順当と感じている。お坊ちゃん育ちのロムニーでは、ああまで他国の元首に礼儀はつくせまい。苦労人のオバマならではのパフォーマンスである。

昔、紅茶のことを「アメリカのお番茶」と親戚の婆さんが言ってたが、ネットでモルモン教を「アメリカの創価学会」と言ってる人がいてなんか笑った。

『7:00amは殺しの番号』MLが不調で、どうしようもない。一斉メールのリストにいくら名前を入れても反映されないメンバーがいたりして、キーッとなる。いや、本当に「キーッ」って口に出してた。どうにもならなくなって、スタッフのテヤマに相談。すぐ、代理のを作ってくれる。もう少しキーッが続いてたら血管切れたかもしれんから、命の恩人。

ところが、それでもやはり入れないとかいう人がいる。スパムメールをはじく設定にしているとか、携帯以外のメールをはじく設定にしているとか(困ると思うが、当人が)、いろいろ。全部スタッフに投げる。私の性格ではこれを処理するのは無理。

食べたもの。朝:ローストビーフと野菜のサンドイッチ、ミルクティー。昼:油かすチャーハン。夜:ブテチゲ(白菜、ニラ、銀ダラ、スパム)、ミニトマト、マッシュルームサラダ、発泡酒、黒ホッピー。


8日(木)よく学び、よくラノベ。

「俺の妹がこんなに成績のいいわけがない」

朝4時に目が覚め、メール作業などをやって、8時二度寝。小指の甘皮がパイ皮みたいにささくれる夢と、友人のトークライブが全く面白くないという夢と、黒柳徹子がやっている発光する酒のCMを見て懐かしくて泣き出す夢の三本を同時進行で見ていた。

田中真紀子の今回の大学不認可騒動、いや、それ以前の小泉内閣での騒動などを思うにつけ、彼女は自己愛型人格障害者ではないかと疑わざるを得ない。「自分は常に正しいことをしている」と確信しているために、周囲の迷惑を顧みず正義感で独断専行し、状況を混乱させるのである。ある意味、現代のトリックスター。

ついつい、「どんなことが書いてあったんだ?」という興味で渡部昇一の『田中真紀子総理大臣待望論』をAmazonで1円で買ってしまった。まあ、副題が“オカルト史観で政治を読む”だし、ネタくらいにはなるか。

本日8日はブラム・ストーカーの誕生日、かつ今年は死去100年の年にあたっているそうだ(マイミク怪獣男爵kazさんからのご教示)。65歳という、案外早い年齢で死去しているのは、ドラキュラの人物像のモデルと言われている当時の舞台の名優ヘンリー・アーヴィング(ストーカーは彼のマネージャーだった)のわがままに振り回されたからだと言う。役者のわがままに振り回されるマネージャーの苦労というのは、今に変わらず昔もあったんだねえ。

1時半、渋谷映画美学校試写室で『ロンドンゾンビ紀行』試写を見る。原題が『コックニーvs.ゾンビ』。こうこなくちゃいけない。イギリス人らしいひねくれたギャグ満載。黒人は能天気なバカ、アッパーミドルは糞意地の悪いイヤな奴、役所の人間は悪人、と決めつけて描いているのが、ハリウッド映画ではまず出来ない描写で、心ヒソカに痛快を感じる爆笑すると人間性を疑われるので、苦笑しながら観るべき作品。老人ホームの居住者の一人で『007/ゴールドフィンガー』のオナー・ブラックマンが出ている。私にとり、オナー・ブラックマンと言えば、『ゴールドフィンガー』よりも『アルゴ探検隊の大冒険』で、アルゴ号のへさきに取り付けられた女神ヘラ像である。

Hさんとちょっと話す。この映画を他に観てほしい人の話、私の脚本を預けているZ監督と年内に飲む話。時間をどう取るか。

出て、新しく出来たカレーパン屋で遅い昼食用にカリーパンを二ヶ買う。神南カレーというやつと、キーマカレー。

帰宅、仕事少しするつもりがグダグダしてしまう。大塚周夫さんとお電話。『僕らを育てた声』のお礼。

「読んでみると、まだ話したいこともかなり残ってるねえ」
とのことで、これは続編が出るか? 芝居にも来てくださるとのこと。



7時、再び外出、阿佐谷ロフトにてルナティック・シアターのイベント。10月のバカエキスポの総集編。記録映像を見ながらのコントあり、ゲストの高杉俊介(仮面ライダースーパー1)さんの歌などあり、グレート義太夫さんの、当日やれなかった歌ネタあり。

ルナにはいろいろ言いたいこともあるが、これは絶賛したいというのは、コントの終り方の切れのよさ、である。テンションが上がりきったところで、八分目くらいに落としてストン、と落とす。このスマートさは他のお笑い劇団に真似出来ないところだろう。

終ったあと、阿佐谷の居酒屋『とりい』でアオキングと飲み、後から来たハッシー夫妻、早さん、岩田くん、しら〜などとも合流。ここは以前『じげもん』があったところ。料理はじげもんの洗練された感じとは対極を行く家庭料理風。時計がてっぺん行くあたりまで。

ところで、ロフトにはいつも手に下げている書類カバンを持っていった。特に持っていくものはなかったのだが、いつものことだから、と下げていった。ロフトに顔を出す前に、ゲストの藤田由美子ちゃんの誕生祝いを商店街のちょっとおしゃれな雑貨屋で買い、その紙袋も一緒にさげて行った。ロフトでは席チャージ料を最初に支払う。そのために、紙袋を足下に、カバンはレジ横のカウンターに無意識に置いた。で、そのとき姿を見せたグレート義太夫さんに挨拶。ここでカバンが私の意識からフッ、と消失した

席について、プレゼントの紙袋を置いたところでカバンがないことに気がつくが、真っ先に頭に浮かんだのがプレゼント買った店に忘れた、ということ。レジ横のカウンターのことは思い出しもしなかった。完全に記憶から消えていた。意識しない、全くなにげない動作だったからだろう。

あわててもうハッシーとテリーの挨拶が始まっているロフトを出て、その店に戻ったがカバンなどはありませんでしたと言われて、次の可能性として考えたのは「タクシーの中かも」、ということだった。降りるときに小銭でタクシー代を支払い、一時その計算に手間取った。その記憶があったから、それでカバンを忘れたんだ、というストーリーが頭の中に出来てしまった。レシートからタクシー会社に連絡、乗った車の運転手さんと連絡ついたが、カバンはない、と言いきられた。

もういい加減、レジ横を思い出しそうなものであるが、次に私の頭が考えた可能性は、
「もともと持ってこなかった。家にある」
だった。今日はカバンを使う用事がないから手ぶらで家を出たのだ、と(ちょっと自信がない考えだったが)考えた。やはりレジ横完全無視、である。店に戻ったが、そこを見もしなかった

7時半にイベントが始まって、終わったのが11時近く、そのままルナの劇団員やゲストの方々と歓談して、さて店を出るかとレジに並んだら、その横に、置いた時のままの形で、カバンが鎮座していた。唐突に、異物のように。

私は全く何事もなかったかのようにそのカバンを取り、店員も何も言わなかった。それでも私の態度は、どこか怪しげだったと思う。何でもなかったのだと、周囲にも自分にも態度で言い聞かせていた。よくアニメなどでやる、何事もないふりをするときに口笛を吹く動作があるが、口笛が吹ければ吹いていたかもしれない。それから帰宅するまで、愛用のそのカバンはずっと、私の手の中で異物感を発していた。

本日食べたもの。朝:白菜のサラダ、けんちん汁。薄切牛肉焼き、果物。昼:カリーパン二個、缶コーヒー。夜:阿佐ヶ谷居酒屋『とりい』でレバ炒め、おでんなど。焼酎。

9日(金)巨神兵登頂があらわになる
まあ、いいトシだし。

カセットテープ誕生50周年(フィリップスが1962年に開発)だそうだが、一般家庭に広まったのは70年代に入って中国製のポータブルデッキが安価で普及し始めてからであると記憶する。私が初めてカセットテープに録音したのがNHKの『ニュース解説』のタイトル曲(富田勲)。それから同じくNHKの『新八犬伝』のオープニングテーマ(藤井凡大)。1975年のこと

翌76年には『事件記者コルチャック』を全話録音しているから、カセットテープがかなり値下がり(TDKなどの安価な製品が普及)して乏しい小遣いでもまとめ買いができるようになっていたと思われる。

テープ編集は二台のデッキをコネクタでつないでやっていたが、クラリオンからテープ間編集が可能なダブルカセットデッキが発売されるのが1977年。その同年に名著『タモリのカセット面白術』(主婦と生活社)が出る。カセットテープはただ記録するものから、編集して遊ぶものになった。



その普及が折からのアニメブームと合致。違う場面や番組のセリフをつなげて遊ぶことが流行して、私も『宇宙戦艦ヤマト』のパロディバージョンをやたら作り、友人たちと回し聞きしていた。このムーブメントが後のMADビデオの原型になった。「オリジナルをいじくって遊ぶ」というオタク文化はカセットテープの普及なくしては定着しなかったろう。

雑誌原稿用の資料(ネタともいう)、いろいろ探す。「たぶんここらにあるんじゃないか」と思って開けたダンボール箱の中にドンピシャであったときの「俺は神」感というものは。

午後から夜まで、新MLの管理、写真撮影場所探しと確保、さらにモデルさんのスケジュール確認で費やす。秋の日はつるべ落とし、すぐに一日が経ってしまうような印象。

酒を飲みながら、石川進氏追悼ということで、2008年に早川優さんなどと数名でインタビューしたときのテープ起こしを読む。坂本九などとパラダイスキングで、新宿のACBで歌っていたときの話、トニー谷に可愛がられて小遣いなど貰った話、渋谷哲平やあいざき新也を輩出した『どんぐり音楽会』(名古屋の地方番組)の話など、面白過ぎ。これの載った『TOONGUIDE5』はまだ在庫があるみたいなので、ぜひお買い求めを。
http://homepage3.nifty.com/mindy/tsuhan.html

朝:鮭漬け焼き、けんちん、果物(洋梨)。昼:豚タン茹でスープでラーメン。スープ、冷蔵庫に入れず置いといたのでちょっと酸っぱくなっていた。夜:茄子かやき、ミニトマト、ビンチョウマグロ漬け焼き、マッシュルームサラダ。酒類如例。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa