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2012年9月7日投稿

つぶやき日記9月4日〜6日

4日(火)若いうちのクローは買ってでもしろ
あのあの必殺技「鉄の爪」をマスターするのは若いうちでないと……。

例により6時くらいまで起きていて、9時45分まで寝て起きて。うーん、そろそろ通常の生活時間に戻さないといけないかな。

今日は2時打ち合わせなので二度寝をそうたっぷりはとれない。12時にシャワー浴びて、いろいろメールとか返信して、急いで新宿に出る。東口らんぶるにて某書店O氏打ち合わせ。O氏とはもう25年前、物書きとして出発した頃からのつきあい。顔見知りの編集としては最古参にあたる。

いろいろと話す。O氏との打ち合わせは雑談で時間が延びるのが25年前からの常で、これは変わらない。なんだかんだと話があっちこっちに跳んでから本題。……結局、こちらから持ち込んだ企画は
「うちでは売れないと思う」
とボツ。
ところが、その企画に含まれる一部分を拡大したものを、
「これは今、出せばある程度の部数は確実に見込めるから、どうです?」
と勧められる。一冊丸々は考えてなかったし、どういう反応されるかわからないが、話を聞いてみると、それほどアッチ寄りでなくてもいいようで、やってみるか、という気になる。来週、企画書を建て直してメールということに。

O氏と別れて店を出たら、マネージャーからメール、またインタビュー依頼。このごろインタビュー仕事多々。さっきまで話していたO氏と関係ある内容だったので、シンクロニシティにちょっと驚く。

陽射し強く暑い。昨日中野からの帰り道、夏制服(半袖白ワイシャツ)の中学生三人組のうちの一人が、素肌の上にはおっただけのシャツの前をバッとはだけて、すれ違った自転車の若いお母さん(子供と二人乗り)に痴漢ごっこ(笑)をしていた。あれ、逮捕されても文句言えない所業だが、お母さんもし腐女史だったら、思いっきり顔、にやけてたべなー。

Amazonからモンティ・パイソンのDVDが届く。ソニーピクチャーズから出ている廉価版である。もうほとんどのギャグを暗記しているが、一年に一回くらいは見たくなるので、これまでは20年以上も前に買ったポニーキャニオンのLDで見てたのだ。さすがにLDではもうまずかろう、と買うことにしたのだった。全7巻で1巻1480円、Amazonだと38%オフで一枚980円という安価で、それで200分以上の収録時間というお徳用である。

……で、さっそくランダムに見始めたのだが、何か違う。笑えるべきところで笑えない。何でだろうと考えて気がついたが、字幕が新しいものになっている。以前のVHS、LDはともに字幕を今は亡き景山民夫などが監修していた。

ギャグセンスがちょっと違う、というなら仕方ない(景山氏の字幕も、テレビ吹き替えのに比べるとかなり不評だった)が、あきらかに翻訳者(ジャケットに記載がない)の知識不足による誤訳が目立つ。『ジェスチャー裁判』スケッチで、グレアム・チャップマンの裁判官がイギリスから南アフリカに赴任する、と言うときのセリフで
「南アはいいぞ、猫のしっぽは九本あるし
などと言ってる。意味が通じない。

cat-o'-nine-tails(キャタナイン・テイルズ)は先が房のように分かれた拷問用のムチのことである。くだんのところの原語のセリフ
「you've got your cat-o' nine-tails」
は“拷問用ムチが使える”という意味だろう。たしかポニーキャニオン版では
「南アフリカは最高。拷問し放題だし
というように訳されていたと記憶する。

別にこれ、専門知識が必要とか日本語の言い回しにヒネリが要るという訳語ではない。高校生用の辞書を引けばちゃんと(気の利いた辞書なら図入りで)載っている単語である。
「猫のしっぽは九本あるし」
という訳に“このセリフはどうもおかしい“と感じる常識さえあれば、辞書を引くだろうしそうすればアアなるほど、とわかるはずだ。

テリー・ジョーンズの『ザ・ビショップ』スケッチの、60年代アクションもの番組のパロディのオープニングで出る『C.of E.FILMS』のテロップを「EのC映画」と訳すのもひどい。「C.of E.」が「Church of England(英国国教会)」の略だということも知らないでパイソンを訳すとは……などと衒学ぶる必要はない。「EのC映画」では日本語として意味をなさないな、と思い、ちょいとググってみればすぐ意味が出てくる。モンティ・パイソンだからというのでなく、ソニー・ピクチャーズともあろう会社が、自社の製品につける翻訳字幕としてはいかがなものかと思う。

うーん、こうなるとまだ自宅の書庫にどんとあるLDが処分できない(まあ、新録の日本語版が入っている奴だけはDVDに焼いて取っておこうと思っていたのだが)。

本日食べたもの。朝:中華サラダ、ゴマ入りパン、目玉焼、ベーコン、果物。ミルクティー。昼:握り飯3個(昆布、うなぎ、明太子)。夜:ローストチキン半身、くーぷいりちー、ミニトマトアイコ、スープ餃子。スープ餃子はゆうべのポトフのスープの流用。イングランドエール、黒ホッピー。

5日(水)UFOっ、いい男

人気ダジャレ復刻シリーズ。

朝5時には寝ようと思うがつい、7時を過ぎてしまう。ベッドに入っても暑かったりエアコン効かせすぎで寒かったりなかなか寝つけないので、すぐ朝食時間になってしまう。まあ、寝不足の影響の不調もまだないからいいが。

http://togetter.com/li/367677?_尖閣がらみで石原的なキャラが何故必要か、コンパクトにうまくまとめてあります。尖閣にしろ児ポ法にしろ、石原慎太郎って実に神輿にはいいキャラなんだよね。本人は事務的能力なんかまるでない人だけど、かつがれることが大好きだし、かつがれれば見事に神輿の役を果たす。この件に関してはもっと詳しく次の(次の次か)本で書こう。

2時に急いで高田馬場。インタビュー仕事だが、時間間違え30分早くついてしまった。これが寝不足の影響の寝ぼけか? 貸部屋はもう開いていたので、近くのコンビニでサンドイッチとバナナ買って昼食とっていたら、アンドナウの会のTくん来る。

本日のインタビュイーは俳優で空手家の石橋雅史さん。千葉真一や志穂美悦子の空手映画、仮面ライダーなど変身ヒーローもの、水戸黄門など時代劇で主に悪役として数限りなく出演していた人だ。70年代カラテ映画ブームで、武術家に扮した俳優さん数あれど、この人ほど「強そうに」見えた人はいなかった。それも道理、本当に強いので、あの大山倍達の極真空手で師範代をつとめていた。しかも本当は極真のライバル(大山がここを抜けて極真空手を創設した)である剛柔会空手道場の師範代だったのを、大山に懇願されて師範代になったというほどの人なのだ。

おそらくその腕を買われて俳優業に転じたのだとばかり思っていたら、話は逆で、空手は日大芸術学部に編入したとき
「武術をやっていれば演技に役立つと思って、高校からやっていた柔道部に入ろうと思ったが、日芸にそのころ柔道部がなかったので」
空手部に入っただけ
、という。

高校生の演劇部に人が足りずに駆り出され、ジョン・M・シングの『海に騎り行く人々』の主役を演じて演技に開眼、上京して日大芸術学部演劇科に編入してからも、太陽座という素人劇団、文化座というプロ劇団に所属して芝居を続けていた、筋金入りの舞台人だった。

意外だったのは、舞台人としての石橋氏を可愛がり、彼をどんどん自分の芝居に起用したのが福田善之氏だったということ。知性派の演劇人の代表である福田氏と石橋氏がそんな親しい仲であったとは。

とにかく、79歳になった現在でも声には張りがあるし、話は理路整然、澱みがなく、人の名前などもほとんどど忘れがない。感心感服する。

名言も多々。
「どんな名優でも他人になりきるなんて、そんなことできっこない。演技というのは、いくら役を作ってもその演技者の育ち、経験、人間性が全部出る。舞台に立つということはそういう裸の自分を観客にさらすということです。芝居ってのはストリップなんだ」

「悪役はたいてい、脚本にその人間性なんて書き込まれていない。だから、一から役づくりは自分で考えていく。眉ひとつ動かさずに人を始末する殺し屋が、夕陽の落ちるのを見て、孤独感にさいなまれて涙をこぼすことがあるかもしれない。こんな職業に身を墜とした理由は何なのか。それを考えて撮影に臨むのとそうでないのとでは、観客の意識への残り方がまるで違う

「空手も役者も、最近の若いのは、強かったり上手かったりするのはいても、面白いのがいない。人生経験が身体に染みついてないからです」

「演劇に一旦魅入られると、もう一生離れられない。舞台の上にはね、
“永遠に勝る一瞬”があるんです

熱を込めて舞台への愛を語るところは典型的な演劇人、しかし癖で話の合間々々にテーブルを、指の先を揃えてトン、と叩くその響きの鋭さはさすが空手八段の達人。いまだに手に残る空手ダコのカッコいいこと。長年連れ添ったマネージャーさんも”初めて聞いた“というエピソードをいろいろ聞き出せた。例のヘッダー司令のこともあるので、私が潮健児の最後のマネージャーであったことも伝え、いろいろ思い出ばなしも聞く。まとめるのが実に楽しみ。もちろんインタビューは一回では終らず、刊行はしばらく先になるだろうけれど。

その後Tくんとサイゼリアでちょっと打ち合わせ。ちょうど時間的に、夏休み終った女子高生女子大生でごったがえし、その声のケタタマしいこと。とちゅうでかかってきた電話がまったく店内では聞こえない。

東西線で中野まで。中野で、こんど飲み会に使おうと思っていた店の場所を確認に行く。飲食街のにぎやかな通りから1本外れているところにある店なので、ちょっと迷った。確認しておいて正解。席の様子確認したくて開いているドアのところからのぞき込んだら「いらっしゃい」と声をかけられてしまったので、入ってカウンターでビールと一品。味は抜群で、なかなかいい店を見つけたわいと満足。予約しておく。

買い物して帰宅、ちょっと寝てビールの酔いを醒し、それから本日中の予定のコメント原稿書いて編集部にメール。その他いろいろ連絡メールして、夕食。足がインタビュー時、和室で座っていたのでちょっと痺れたのだが、その痺れが夜まで続いた。

http://jump.cx/oQAV7親父殺し猟奇ロリがいたかと思うとhttp://jump.cx/23Hjmカバンに女の子を詰め込む運搬ロリもいる。まるでいろんなロリコンの技を競っているよう。ロリンピックか、などという嫌なギャグも出る。しかし、どちらも創作で描いたらリアリティ無し、と糾弾されそうなシチュエーションだな。

本日食べたもの。朝:焼きタラコ、セロリきんぴら、ご飯、卵豆腐のおつゆ。果物。昼:サンドイッチ、バナナ一本、フルーツジュース。夜:豚まん、里芋煮(惣菜)、海苔巻き。夕方、馬刺しとビール飲んだので夜はスーパーで買ったもので。

6日(木)アサルトビデオ

自動小銃を持った女性を撮影したマニアックビデオ。

朝7時就寝。10時起床。11時、また寝て2時起き。寝たりているんだかいないんだか。今日は神保町で打ち合わせ。風呂に湯を溜めたがゆっくり入る暇なく、シャワー浴びてすぐ出る。空模様が途中から凄まじくなる。

ちょっとややこしい契約で出かけたのだが、向こうのオフィスの場所が神保町のすずらん通りという庭みたいなところ。ただし、足を踏み入れると、まるで(私の知っている)神保町ぽくない。重厚というか何というか、生活感みたいなものが排除されている。トイレを借りたら、荷物とかが積んであって、やっと人間らしさを感じてホッとする。

終って出たら、地面が濡れていた。最中に雨になったらしい。せっかく神保町に来たんだから、と古書店数店回り、数千円買い物してボンデイでカレーを食う。神保町にカレー屋が多いのは、昨日見たテレビによると「買った本を読みながら、片手で食べられる食い物だから」ということ。ちょっと怪しいトリビアだが、なかなか面白い。

食べて出た頃には、また雨、繁くなる。出て地下鉄で新宿まで。さらに京王デパート地下で買い物。雨、さらに強くなるのでタクシー使って帰宅。昼の湯をまだ抜かないでいたので、湯船に飛び込んで汗を流す。甚兵衛に着替え、ベッドでさっき買った本を読んでいたら寝入ってしまった。

起きだしてメールと電話。某誌インタビュー依頼、明日に場所指定する。それから友人の出る芝居の予約。昨日のインタビューのとき石橋さん曰く、
「武術でも芝居でも、人のやっているのを観ないとうまくなりません

広島の少女カバン詰め事件、犯人がプリキュアファンという報道があったと、知り合いたちが轟々たるマスコミ批判。何か違和感を感じていたらマイミクでと学会の原田実さんがツイッターで
「少女誘拐とプリキュアをからめた報道をしているのは日刊スポーツとZAKZAKだけ」
と指摘していた。
http://twitter.com/gishigaku/status/243638545007403008
マスコミ叩きや陰謀論に走る前にこれくらい冷静になろうよ、と思う。ネットであっという間に拡散するから、四面楚歌だと思い込んでハリネズミのように社会を敵と思い込む発言をくり返し、敵にしないでもいいものを敵にする。何をそんなにピリピリしているのか。尖閣とか竹島のときに危機感で騒いでいるネトウヨを冷笑していたオタク知識人たちまでがこの件だと危機感で騒ぎだす。人間、自分のことだと冷静になれないとしたら情けない。

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012090600810「226遺体、依然身元が判明せず」なるほど、226事件で殺された人たちの中には76年たってまだ身元が……とタイトル見てつい、思ってしまった。

本日食べたもの。朝:酢豚、果物。昼:所要で神保町に行ったのでボンデイのカレー。夜:豚まん、ミニトマト「スウィーティア」確かに甘いが酸味に欠ける。ムール貝のバジル炒め、京王地下で買ったもの。期待してなかったが案外いけた。酒は発泡酒ひとカンと黒ホッピー、緑茶ハイ2杯づつ。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa