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2012年7月17日投稿
『楽園の殺人』千秋楽&好評御礼
7月10日から16日までの1週間、10ステージを数えた
ユニット世外今是第一回公演『楽園の殺人』、昨日無事、
千秋楽を迎えました。
外洋には出られたものの、出港早々嵐を喰らったような
大揺れを経験した舞台でした。新米船長のいたらなさも
痛いほど味わいました。
それでも、帆柱が折れなかったのがめっけもの。
まだまだ舞台への情熱は失っていません。
結果として、初公演としては堂々の集客成績を残せたことを
報告しておきます。昨年末、制作委員会システムをとっての
『タイム・リビジョン』の成功が頭にあったので、宣伝告知
などが後手後手になりがちだった今回はどうかな、と危ぶんで
いたのですが、炎暑の中、毎回予約数をかなり上回るお客様が
いらしてくださり、気がつけば1ステージをのぞいて全て、
『リビジョン』を上回る成績になっていました。
しかも、毎回飛び込みの当日券で入ってくださるお客様が
十人前後必ずいる。どうも受付でのやりとりからするに、
観劇は初めての人がほとんどらしい。不思議に思って、当日券の
お客様のおひとりに、何でこの公演を知りましたか、と訊ねたら、
なんと初日にご来場いただいた辻真先先生がご自身のツイッターで
この公演の感想を述べてくださっていたとか。熱心な辻先生ファン
の方々が、それを読んで、どんなものかと観に来てくださったと
いうわけですな。
辻先生のツイッターまとめを見てみたら、
「“小劇場に愛をこめて”の副題通り、あの小さな空間に緊密な
ミステリ劇を構築して、まったく飽きさせない。欧米の熟成して
いるが乾いた推理ドラマと違って、情理を備えているところが
日本の小劇場だな」
という、なんとも過分な評価があり、赤面の顔が赤くなる、という
ヤツでした。本格ミステリ作家クラブの会長の前でミステリ劇をやる
ということ自体恐れを知らぬ行為ではあったけれど、こんな言葉まで
いただいていたとは……。
もちろん、この評価がお世辞抜きのものとうぬぼれてはいません。
反省点として、ミステリファンには余計な夾雑物が多く、
非ミステリファンにはミステリの謎解きの魅力が伝わらない
部分として残ったのではないかという思いがあります。
ミステリ特有のミスリーディングを“キャラクターが場面ごとに
ばらばら”と指摘してくれた演劇業界人の声もありました。
ことに辻先生のつぶやきの中にある“情理”の部分(まさに非・
ミステリファンの小劇場演劇ファンのために付け加えた、
いわゆる“お涙”の部分)には当初、賛否両論が噴出しました。
しかし、アンケートにあるそのシーンへの批判的な声が、公演の
後半になるにつれ、次第に賛辞の声に切り替わって多くなって
いったことも事実です。これは私の手柄ではなく、その情理
シーンを場面として成立させた役者たちの技量だと思うのです。
本当に、今回はうまい役者さんたちに100%助けられました。
辛苦の多い舞台ではありましたが、辻先生のつぶやきをいただけた
ことで、今回は私的には心底
「やってよかった!」
ものになりました。しかし、やはり何より嬉しいのは大勢の
方に来ていただいたことであります。
出演してくれた皆様、スタッフの皆様、公演に来ていただいた皆様、
興味を持っていただいた皆様、本当に本当にありがとうございました!
これからのユニット・世外今是をどうかよろしく!