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2012年3月28日投稿

つぶやき日記(3月1日〜10日)

mixiのつぶやきとか、チェック欄に書き込んだ文章を再録。
とりあえず、3月の1日から10日まで。

3月1日
あさま山荘にたてこもった犯人の一人、坂東国男の母の説得の言葉。「お母ちゃんと一緒に自動車で家に帰りましょう。ネコ、イヌ、タヌキ、クマのように、よく耐えて苦労したね。その勇気があれば世の中を渡っていける」……芝居など書く者として、この台詞の発想が出るか出ないか。

3月1日
楢崎弥之助、91歳で孤独死。爆弾男としてリクルート事件などでそれなりの功績を上げ、与党自民党をふるえあがらせた。自衛隊クーデター事件などというお笑いもあったが。あれは映画『皇帝のいない八月』の見過ぎなのではないか、と当時笑ったな……あ、そのころちょっとつきあっていた彼女が『皇帝の……』の高橋悦史のカッコよさにハマって彼を主人公にした同人誌マンガ描いたなあ。思い出してしまった。

3月2日
マルちゃん正麺食べてみた。CMで自画自賛しているほどうまいとも思わないが、スープも別作りではなく麺の茹で汁をそのまま使うという簡便さでここまでの味と食感なのにはちょっと感心。

3月2日
リーダーシップというのは全員が納得するまで議論をさせることではない。大体の意見が出そろったところで右か左か決断を下すことである。その決断に不満な者の文句を押さえ込み、悪役となることを甘んじることである。

そうしていい結果を出すのが優れたリーダー、出せないのが悪いリーダー。左右双方全員に満足させることは現実には不可能か、あるいは時間がかかりすぎるからである。リーダーの資質の善し悪しは、この決断の結果で判断するべきであり、決断を下したことで判断すべきではない。

除染瓦礫の受け入れはすでに論理でなく感情の問題になっている。どんなに議論を尽くしても百日手であろう。石原都知事の決断、そして反対派に対する「黙れ!」は現実的なリーダーシップとして極めて正しい。結果がどうか(彼がよきリーダーか)に関してはまた全然別個、後日の問題。

3月2日
酒の肴、ありあわせのものでいろいろココロミてみるが、クリームチーズのネギカツブシかけ・牡蛎醤油、かなりの高得点!

3月2日
ライオン宰相浜口雄幸。雄幸という名は勇ましくて彼にふさわしいが、父親が子供が産まれた祝い酒に酔って、役所の届け出に「幸雄」と書くところを逆さまに書いてしまったのであんな名になった。幸雄じゃ何かひ弱っぽい。これは傑作な間違い。

3月3日
「ストリートビュー」で放尿撮られた仏男性、グーグルを提訴」をチェックしました。

『マグマ大使』第一回のラスト、緊迫したBGMの中を走る車のシーンの後ろで、おっさんが呑気に立ち小便している場面が映っている。カメラマンも気がつかなかったのだろうが、街中のシーンで、しかもかなりの長時間。このおっさん、まさか自分の立ち小便がフィルムに残されるとは思ってなかったろうが、まだ存命だろうか。

3月3日
永井荷風は毎日決まった蕎麦屋に、決まった時間に現れ、決まった席につき、決まったメニュー(かしわ南蛮)を注文したという。その席に他の客が座っていると、他に空いてる席があっても帰ってしまったとか。ある種の強迫神経症と思われる。映画『恋愛小説家』の主人公(J・ニコルソン)も同じような描かれ方をしていたな。

人を誰も信用できず、大金の入ったカバンを抱きしめつつ79歳で駅裏食堂の(並)カツ丼と日本酒を胃潰瘍で出血しているくせに食った夜、ゴミ溜めのような部屋の万年床で孤独死。永井荷風の最期は凄絶だが、そんな食堂にグルメファンがむらがり、人生最後のメニューが「荷風セット」として人気という現代人の非人情がまた。

それにしても、そんな神経の持ち主の荷風が幸運だったのはその生存中、アリゾナも大黒屋も尾張屋もその存在恙なかったことである。戦前好んで通っていた山形ホテルも、廃業したのは荷風が通わなくなってからだった。現在のようにお気に入りの店を作ってもその店が何年持つかという東京の状況から見れば何ともうらやましい。

3月3日
(自分用メモ)国、邦、どっちも国家の意。普段国の方を用いるのは、漢の時代に、初代皇帝の名が「劉邦」だったので、邦の字を他の意味で使うことを避けた習慣が残ったため。

3月3日
ただいま『立川流騒動記』図版選定中。若き日の談之助、ガリガリでルナのもやしくんそっくり!

図版選定作業、そろそろ三時間目に突入。予定通りというか、思ったよりサクサクと進んでいるというか。

3月4日
のんびりできる懸案とそうでない懸案をごっちゃにしてはいけません。政治は実務なのですよ。

太平洋戦争末期、終戦に反対する陸軍を説得しよう、話し合いで決めようと無駄な時間を費やしている間に長崎に原爆が落ち、7万人の人命が奪われた。最初から天皇に決済をあおぎ、陸軍をだまらせていれば失われなかったはずの7万の命があるのです。

いまこうしている間にも、東北地方には一年経って片づかない瓦礫を前になすすべもなく立ちつくしている人々がいる。ヒトラーが出現する危険性が、などというのははっきり言います。タワゴトでしかない。

3月4日
http://togetter.com/li/266913?「放射能ノイローゼになったお母さんの小さな疑問」をチェックしました。

私の知る限りでも、最近ようやくこういう、一時のストレス性恐怖症から脱却してきたお母さんたちが発言をしはじめました。たぶん今年いっぱいくらいで状況はがらりと変わると思いますが、それだけに危険派からの巻き返しも大きいと思います。行動に移さなくては。

3月5日
河野典生氏死去の報。『探偵はいま、鉄板の上』の文体に、昔あこがれた。この人の影響でジャズを聞くようになった。まだ田舎の高校生だったが、東京があの頃はパラダイスに思えた。ピットインでバーボン片手にジャズを聞いて、雨の中をハンフリー・ボガート風にコートの襟を立てて歩こう、と本気で思った。

その幻想を破ったのは開高健の「日本のハードボイルドは池波正太郎であり、あのレインコート着たボガートきどりはみんなまとめてスチャラカチャンチャンなのよ」という言葉だったが。

3月4日
http://togetter.com/li/266733?#「どうして紙にプリントアウトした方が圧倒的に間違いに気付きやすいのか」をチェックしました。

昨日赤入れ用プリントアウトを見て、まさに同じことを。やはりパソコン画面上にあるものは「情報」であって、「文章」として脳が意識していないのではないか。私が蔵書のデータ化に二の足を踏んでいるのも同様の理由なのだが、しかしこのまとめ中の「iPadでAV見ると臨場感が凄い」というのはぜひ実体験で検証してみたいww

3月5日
ハッシーの結婚式に着ようと思って注文したフロックコートが今ごろ届いたよ! てっきり注文ミスで受けつけられなかったと思ってたんだが。うーん、ここしばらく周囲に結婚しそうな奴いないからなあ。ウン万円無駄にしないためにも、誰か結婚しないか? 式に出るから。(03月05日)

3月5日
『お笑い三人組』の猫八の先代、二代目猫八は木下華声という芸名で漫談家として活躍し、また筆も立って『芸人紙風船』という名著もある人気芸人だったが、戦前から東宝(PCL)で音響効果の仕事もしていた(要するに動物の鳴き真似を効果に使った)

そのつながりか、すでに漫談家として一家を成していた戦後の1966年にヘンな仕事を受けており、それが東宝映画『サンダ対ガイラ』の、子供時代のガイラの鳴き声。

ちなみに『サンダ対ガイラ』の宣伝用スチールで、サンダとガイラが肩を組んでいるのがあるが、あれは当時人気絶頂だった漫才師Wけんじのギャグ「オー!」の真似。ゴジラの「シェー」はいまだに有名だが、こっちは忘れられている。

自分用メモで、怪獣ブームとお笑いブームの重なり。1964年の『三大怪獣地球最大の決戦』では青空千夜・一夜がショーの司会役で登場、66年の『ウルトラQ』は放送前特番とゴルゴスの会で晴乃チック・タックが登場。同年の『ウルトラマン』の特番にはナンセンストリオ、『怪獣殿下』のオサムくんの両親は宮田羊容・ふじゆきえ。

宮田羊容は単独で1960年の『ガス人間第一号』にも登場。大阪漫才は1968年の『妖怪大戦争』に若井はんじ・けんじが登場、怪獣ではないが70年の『透明剣士』に横山やすし・きよしが登場。漫才ではないがお笑いで1968年の『妖怪百物語』は大阪からルーキー新一、東京から彦六の林家正蔵が出演。

そう言えば1969年の『妖術武芸帳』の最終回(だったと思う)に突然中田ダイマル・ラケットが出てきたのには驚いた。しかも悪を追う側で。あれはもし番組が打ち切られなかったら、後期シリーズでレギュラーにさせるつもりだったのかもしれない。

そのころ(67〜69)、立川談志司会の『笑点』で「自分に来たファンレターを読む」という出題があり、毒蝮三太夫(石井伊吉)が「私はあなたの大ファンです、やっかいな相手ばかりで大変でしょう。これからもがんばって、怪獣をやっつけてください」と読んで、談志が「番組がちがうよ!」と叫ぶというのがあった。

ウルトラマンの放映が1966年7月から67年4月、セブンが67年10月から68年9月。一方で石井が笑点の座布団運びをしていたのが67年1月から。毒蝮三太夫に改名したのが68年12月。つまりウルトラシリーズのレギュラーが終るのを待ってのことであった。足場を役者からタレントに移したわけである。

3月5日
月曜まで、というのでヒーヒー言いながら快楽亭との対談原稿チェックやってさて、完成したので送ろうと編集部のメールを確認したら来週の月曜だった(泣笑)。

3月5日
http://togetter.com/li/265246?「山崎パン社のパンを測定して300Bq/kg程度検出、への@kodomiraInfoさん対応まとめ」をチェックしました。

ご苦労様、という感じの測定実況ライブ。私の意識というのはコメント欄にある「福島米でも300Bq/kgなんて殆ど出てないのに外国産小麦パンで出るわけ(ない)」に近く、なんでここまでやらんといかんのか、という気がしないでもないのだが、不安な人たちへの対応で、ここまでやるってことが大事なんでしょうね。

3月6日
寝酒のアテ、ビリー・ワイルダーの『情婦』。十回以上は観ている映画で、ヘンリー・ダニエルだのジョン・ウィリアムスだのトリン・サッチャーだのウナ・オコーナーだのの演技を改めて見てみるか、程度のチョイスだったのだが、ラストのマレーネ・ディートリッヒの愚かしくも可憐な心情に、思わず落涙してしまう。

これ、『ドラキュラ’72』のアラン・ギブソンがTVムービーにしていたな。こっちはラルフ・リチャードソンが弁護士、ウェンディ・ヒラーが看護婦。ハマー出身らしく事務弁護士役にマイケル・ガフを当てて、さらにトリン・サッチャーがやった検事がドナルド・プレザンスというかなり凄いキャスティング。映画での葉巻の代わりが牡蛎だった。

3月7日
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2861543/8559457#『かわいい! 擬人化ネズミの剥製(ニューヨーク)』をチェックしました。

いや、グロだろ? 特に剥製前のネズミの死体が箱に入っているところとか。

3月7日
http://togetter.com/li/267762?#「瓦礫受入賛成派の声を届けよう タグのまとめをチェックしました。

この善きサマリアびとたちに祝福あれ。私も私の立場で応分のことをするつもり。

3月10日
ここ数日、寒冷鬱ひどし。鬱状態でベッドから這い出し、ああ引き受けるんじゃなかった、と思いつつ某女性誌のインタビュー、いざ初めると途端に雄弁になり、編集者さんもライターさんも「へえー、すごーい」の嵐、企画の申し込みまであり、感心されて送られ満足顔で帰宅、すぐ薄汚れたジャージに着替えてベッドに潜り込んで鬱々。鬱ながらこの落差に苦笑。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa