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2011年12月12日投稿

5日目千秋楽!

『タイム・リビジョン/時間修正作戦』、11日(日)昼夜公演で
無事、千秋楽を迎えました!

稽古開始から小屋入り、本番までトラブルらしいトラブルの見当たらない
まことにスムーズに上演まで持っていけた舞台でした。
役づくりの上でいろいろ苦労していた俳優さんがいましたが、それも
本番にはきちんと仕上がり、ワンステージごとに手に入って来たという
感じです。チームワークも上々、ことに若い主役二人が参加したことが
キャリア組にとっていい刺激になったようで、長いつきあいで見たことの
ない先生モード、お兄さんお姉さんモードで千秋楽の日にいたるまで
役づくりをレクチャーしていたのが印象的でした。

稽古場を見学に来た受付のYさんが、
「こんな民主的な稽古場を見たことがない。唐沢さんは自分の意に染まない
演技プランがあっても怒らないのですか?」
と聞いてきました。私は
「脚本に役と演技の基本はもう書き込んである。あとは役者が勝手に役作りを
してくれればこんな楽なことはない、ただそれを見せてもらって、自分の考えと
異れば“それ、却下”というだけだから」
と答えています。それに、演技指導には秋葉由美子さんという最高の補佐役が
いたことでありますし。

演出家が二人、コーチが何人も、では現場が混乱しないかと心配する人も
いるでしょうが、脚本をかなりの程度練っているので、いざとなればそこに
帰れるという安心感をみんなに持たせられたと思います。演劇の原点は
やはり脚本なのですよ。

特殊衣装のリンクファクトリーさん、オープニング映像の山口A二郎さん
そして音楽担当の水谷紹さん。いずれも素晴らしい仕事をしてください
ました。演技や脚本と並んで、これら三つに触れてくれたアンケートが
多かったのも特長です。さらに凝って音作りをしてくれた音響の星くん、
千秋楽のコントシーンで神照明を当ててくれた吉田さん。プロたちが
こぞって力量を示してくれました。

さて、いろんなご意見をいただきましたが、かけられて嬉しかった言葉
三つ。ひとつは友人の役者、渡辺シヴヲさんからの
「前半で荷物を全部レールの上に乗っけて、後半で重量のついたそれを暴走
させるという展開はやはり、後半の疾走感が違う。前半が退屈とかテンポが
遅いという意見もあるかもしれないがこのまま続けていく方がいいね」
これは私もまさにそう意識して書いた脚本だったので、わが意を得たりと
いう感想でした。アンケートの中にはまま、“前半がテンポが悪い”という
意見があったので、伝わってないのかとちょっとがっかりしていましたが、
やはりわかっている人にはわかってもらえているのだな、と安心しました。

次が『楽園』支配人の本多慎一郎さんからの
「初日の客筋を見ればいい芝居かどうかはわかります。見せてもらって、
これはいい公演になると思いましたよ」
という言葉。演劇というものを子供のときから知り抜いている人にそう
言われたということをはげみにしようと思っています。

そして、千秋楽、わざわざ博多から観に来てくれた今回の舞台のスポンサー、
ももち浜調剤薬局社長のMさんの
「これ、もう少し大きな劇場用に仕立なおしてこっち(博多)へ持ってこれま
せんか?」
という言葉。千秋楽のやりたい放題芝居に腹を立てられるのではないかと
ハラハラしていたのですが、考えてみれば、彼女はもともと私の著作の
ファンなのでした。ナンセンスが嫌いなわけがない。役者で一番気に入った
のは岡田と右田ひだりだそうです。

スポンサーさんのその言葉が単なるお愛想で終るか、本気にさせられるか、
はこれからの私の演劇への取り組み如何にかかっているでしょう。
実はこのMさんには、再来年に大きな企画を頼まれています。
その助走に、この舞台、そして来年の舞台をするべく、頑張ります。

と、いうわけで、何はともあれ集合写真!
これはおふざけバージョンで。真面目なのは年賀状に使います(笑)。
写真、前列左から菊田貴公、佐藤歩、秋葉由美子、唐沢俊一、島敏光、
石黒勇也。中列、飯島倬、大野由加里、吉田奈緒(受付)、石川ルカ、
茗原直人、岡田竜二、綾乃彩、右田ひだり。後列、渡辺克己、岩田真、
星智輝(音響)、早坂富雄(舞監)、吉田衣里(照明)、松山幸次。

ありがとうございました!

Copyright 2006 Shunichi Karasawa