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2011年12月11日投稿

4日目完成形!

『タイム・リビジョン/時間修正作戦』、後半戦の4日目マチソワ。
昼夜とも当日券で入ってこられるお客様が大勢おられ、前売から換算
して客席チラシなどを作っていたこちらが大慌てする場面も。
まあ、嬉しい大慌てではありましたが。

しかも本当にいいお客様で、特にマチネ(昼興業)では、仕込んだギャグ
がほぼ全てウケる、というパーフェクト試合でした。
役者が「え、あそこでウケるの?」と首をひねったくらい(おいおい)。

以前客演した劇団でも、終盤になってギャグがどんどんハマりだした頃、
そこの座長が
「自分は初日からこういう感じになるよう話も作っているし、稽古もして
いるんだけど、どうしても本ウケが後半になるんですよねえ」
と私にしみじみ、という感じでボヤいたことがありました。
今にして、その気持ちが理解できます。
前半にご来場いただいたお客様にはまことに申し訳ないのですが、
本日が完成形でした。

マーセラス&C3の蹴飛ばしシーン、
岡田の教祖、WIBのガールズトーク、
花岩とR2のかけあい、修正ユウヤと修正ナナカ、
岡田のギャグをみたあとのひな子たちの感想、
ユウヤのあやつられ、ナナカの変身。
そしてボケた爺ちゃん。
おお、すべての役者が笑いをとっているぞ。

稽古中、なかなか役がつかめなくて悩んでいた役者もいました。
飲み会で、
「あのキャスティングは失敗だったのでは」
という声も出た役者がいました。
しかし、最終的にそれぞれがそれぞれの役をカチっとつかんで
自分のものにしている。キャスティングマニアの演出家にとっては
いささか鼻の高いところです。

凝ったキャスティングは役者だけではありません。
山口A二郎さんのOP映像は大評判で、音楽も
「この映像のためのオリジナルかと思った」
と、“作曲者の”水谷紹さんが思わず口走ったほどのハマりようでした。
その水谷さんの音楽、開演前に流している『大寒東京』が傑作と評判です。
その他、大岩ピュンさんのイラストも、リンクファクトリーさんの特殊美術も、
演劇関係者から羨望の声があがった出来でした。いずれも、演劇とは別の
分野でおつきあいしていた皆さんで、今回の参加は私のこれまでの
人間関係の集大成ともいえるものです。

……その、最重要な人について寂しい話も。
今回の企画、動き出しから私とタッグを組んで、主役オーディションの
世話をしていただいたり、各方面に声をかけてくださったプロデューサーの
島敏光さんが、仕事の関係で今日でお別れ。島さんの天性の明るさが、
ともすればカリカリしがちな稽古中の雰囲気を本当にやわらげてくれました。
女性陣にことに大人気でしたねえ。

この人、かの黒澤明の甥で、『影武者』にも医師の従者の役で出演
しているのです。私とは、友人が彼のプロデュースしていた古川
登志夫さんの舞台に出演していたのが縁で知り合いました。

さて、余すところあと一日。
ここで気を抜かず、ラストスパートかけなくては。

みなさんも、下北沢小劇場『楽園』に、ぶらりとお遊びで足をお運びください。
唐沢から、と言っていただければ前売料金で入れます。

※写真は自分の歓送会で乾杯する島さんと、女性たちに囲まれハーレム
状態の島さん。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa