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2011年11月30日投稿

脚本改訂

『タイム・リビジョン/時間修正作戦』、先日通し稽古を
したことはお伝えしました。

いろんなものが見えてきたのですが、いいものばかりが
見えてくるわけではありません。
嫌なもの、気持ち悪い(芝居の現場用語で、うまくその
シーンが成立していないことを指す)ものも見えてきます。
どんな脚本も、書かれるのは机の上。
現場である稽古場や舞台に持ち込むときには、微調整が
必要なわけです。

読み合わせ後に全体の構成を考えて、すでに改訂を加えて
いるのですが、今回は、初通しを終えて、演出補の秋葉さんから
「何かラストがまとまりすぎのような気がします」
と意見が出ました。

脚本の書き手としては、ラストは文字通りの「大団円」に
したいという本能が働きます。しかし、あまりに全てに
オチをつけようとすると、かえってお客の感情に物足りなさ
というか、
「結局何だったのか」
という感が残りかねない。

いくつか人物関係を整理しなおし、含みをもたせた終わりに
するよう改稿を加えましたが、今度は幕切れが決まらない。
何とか書いて、演出補に意見を求めたのですがイマイチとの反応。

モヤモヤしたまま稽古場へ向いましたが、その車中で、いきなり
「これだ!」
というアイデアが浮かび、あわててメモを取りました。
稽古場で急いでペンを走らせ、全員に読んできかせる。
今回の芝居のテーマに沿った、芝居好きならニヤリとする
幕切れになったつもり。演出補からも、今回は
「バッチリです」
とオスミツキを得ました。

不思議なもので、この芝居、デジャブがキーワードのひとつに
なっているのですが、この途端、書いてる私自身がデジャブ
に陥りました。実はこの日の昼間、ちょっと前に行った
インタビュー原稿の赤入れをしていたのですが、そこに、
東映の『トラック野郎』シリーズの脚本家、掛札昌裕氏の
エピソードがあったのです。

『トラック野郎 一番星北へ帰る』の台本のラストを、普通の
ハッピーエンドにしたら、プロデューサーの天尾完次氏が
「それじゃキャラクターが生きない。もう一ひねり必要だ」
と改稿させた、というエピソードなのですが(詳しくは
本になってから)、映画の話づくりの本質をついた、まことに
興味深い話でした。

その原稿チェックを午前中に済ませてすぐ、演出補から
ラストをもう一ひねりできないか、と連絡があった。
どこかで聞いたような……と首をひねりつつ、パソコンに向った
ことでありました。

さて、右往左往しながら、稽古もいよいよ最終コーナーに
入ってきました。声の出演をしてくれる渡辺克己(NEWSZeroや
ディズニー予告編ナレなどでおなじみの声)氏も忙しい中
稽古場に現れ、美声を披露してくれました。今週末からは
全日稽古に突入です。いよいよ胸突き八丁!

↓予約フォーム
http://noandtenki.web.fc2.com/time/
お席余裕ある日も、徐々に埋まってきています。
予約、ことにお連れでおいでの方はなるべくお早めに予約を!

《タイムテーブル》
12月7日(水) 19:30〜
12月8日(木) 19:30〜
12月9日(金) 15:30〜(*) 19;30〜
12月10日(土) 15:30〜    19:30〜
12月11日(日) 13:00〜    17:30〜

料金 前売3000円 当日3500円
*平日マチネ割引/前・当共2500円

電話予約/03-6805-4984(play)14:00〜20:00

下北沢小劇場楽園 東京都世田谷区北沢2-10-18藤和下北沢ハイタウンB棟地下1F

※写真は、舞台上ではコンビ役の大野由加里ちゃんと飯島倬ちゃん。そして、声の出演の渡辺克己。

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