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2011年6月15日投稿

『トンデモ本大賞2011』盛況得御礼

遅くなりましたが、ご報告を。
銀座ブロッサムにて6月11日に開催された
『日本トンデモ本大賞2011』、無事大盛況のうちに終了いたし
ました。お足下の悪い中、ご来場くださった皆様、本当にありがとう
ございました。雨の中、会場の外まで入場待ちの列が続いていたそうで、
熱心なファンの方を雨に濡らしてしまったことは心苦しい限りです。
しかも区の節電指導で、空調を強く出来ませんでした。お詫び申上げます。

本来ならイベント内容のレポートをあげなくてはならないのですが、
スタッフとして裏側で走り回っており、実は舞台を袖から部分的に
しか見ておりません。

当日の様子はニコニコ生放送で、6月19日(日)に一部を放送いたし
ます。『【と学会】日本トンデモ本大賞2011&と学会20周年
ベスト・オブ・ベスト 大会ダイジェスト』という、長い名前の番組
ですので、よろしく。
http://live.nicovideo.jp/gate/lv52981921
ので、大賞発表も、ベスト・オブ・ベストも、結果はここでは発表
しないでおきます。上記番組でのお楽しみ、ということで。

レポートはこれをもって代えさせていただくとして、ここでは個人的な
感想を述べさせていただきます。私の個人的感想はどうでもいい、と
おっしゃる方はこのへんで打ち切ってくださいませ。

一言でいうと、心地よい疲れではあったものの、20年間で一番くた
びれた大会でした。心も、身体も。素人集団の行うイベントだけに、
下準備も仕込みも、全て本業の合間を縫って行わざるを得ず、いくつか
の映像素材は当日の朝になって完成(しかもアクシデントがあって
DVDに焼けず、直接パソコンにデータを送らせて上映した、などと
いうものまでありました)。ついに完成が間に合わず、上映を断念
したものもありました。アクシデントやぶっつけ本番には慣れっこ
になっているとはいえ、20周年記念ということで今回は例年とは
違った企画をいくつも出しており、舞台裏での緊張とドタバタは、
ちょっとこれまでないものでありました。

さらにはあれだけの数のゲストを呼んで、失礼のないように、かつ壇上
でのウケに大きな差のないように、構成その他に気を使うだけ使った
ものでした。一人々々に専任アテンダントをつけ、前日まで入り時間
などの確認をとったものの、当日になってケツカッチンの時間の
わかったゲストもいらっしゃり……幸い、西原理恵子さん、高須克弥さん、
桃井はるこさん、飯塚昭三さん、矢追純一さん、いずれもこういう
場には慣れていらっしゃいます。全ての方々が大ウケ、拍手喝采を
さらったのはさすがという感じでしたが。

大ウケといえば米粒写経さんの漫才は凄まじいウケ方でした。
あれだけウケればやっていても気持ちいいだろうなあ。
「自由に泳がせていただきました」
と、二人からもお礼を言われましたが……お二人の漫才を初めて見た
のは、今は亡き前田隣先生の主催する『ダーリン寄席』でした。
いつかはトンデモ本大賞に呼びたい! とはそのころから思っていた
のですが、スケジュールがなかなか合わず、とりあえずロフトプラスワン
での後夜祭に昨年、お呼びしました。そうしたら、そこで片割れの
サンキュータツオさん(アニオタの方)から、実は以前、彼が
『早稲田文学』の編集をやっていたときに、私を対談に呼んだことが
ある、と聞かされてびっくりしました。もう15年以上昔の話です。
その当時は彼が私のファンで仕事をくれ、現在、彼のファンになった
私が彼に仕事をしてもらう……15年の時間を経て、円環が閉じた
ような気になりました。そう言えば、他のゲストも桃井さん以外
全て、私の交際関係の中での出演依頼でした。偶然とはいえ、
いろんな意味で集大成だったのだな、自分にとって、としみじみ
思います。

大賞&ベスト・オブ・ベストもみなさん満足・納得の結果が
出たようでありますし、リンクファクトリーさんの宇宙人くじ
なども大盛況だったようです。多くの方々の感想も概ね好評、
ひとまず構成担当者としてホッと息をついています。

ただし、総合演出担当としては今回の大会、自己評価は63点、という
ところでしょうか。素人集団がプロの助けを借りながら行うイベントと
してはかなりのところまでいっていたという自負はありますが、しかし、
素人集団の限界もはっきり見えた大会であったと思います。
と学会による自主開催を、日暮里で初めて行ってから9年。
どうにかこうにかやってきて、毎回、新たな工夫を取り入れて、
限界が見えるところまでたどりついたという感じです。

『トンデモ本の大世界』(アスペクト)にあるように、と学会の発足、
設立にはいくつもの説があります。とりあえず世間に流布している
説では1991年に第1回トンデモ本大賞が開催され、翌92年に
と学会が結成されたとありますが、今回の大会で、藤倉珊氏が壇上で
言っていたように、91年のSF大会直後に結成された“次回SF大会
企画準備会”をと学会の原型として、これの発足から数えるべきだ、
という意見もあります。今回、その説をとって“創立20周年”と
したのは、そろそろここらで一区切りつけて原点に帰ろうよ、という
気持ちが入っています。最初に壇上に上がった創設会員も、休会あり
死去ありと、歯が抜けたような感じです。ベスト・オブ・ベストを
選出する際のコメンテーターに、創立委員を一人も入れなかったのは
意図的なものです。どんどん、次代へと席を譲っていかないとね。

もちろん、われわれが引退するというわけではありません。
まだまだ居座り続けるつもりではあります。ただ、来年以降、これまで
の大会とは、ちょっと形を違えて、新しいメンバーも加え、意識を新た
にしてやっていこうという表明として、今年のイベントに区切りの意味を
付与させていただいた次第です。

今年度のトンデモ本大賞、ご来場の方、スタッフの方、協力して
くださった全ての人々、ご協力いただいた各出版社の皆様、そして
ご来場の皆様、ありがとうございました。
来年、面目を一新する、「かもしれない」トンデモ本大賞に、どうか
ご期待ください。

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