ニュース

新刊情報、イベント情報、その他お知らせ。

新刊

2011年5月4日投稿

念願の談之助本、刊行決定!

立川談之助とのつきあいはもう、20年以上になります。
その落語に対する知識の豊富さ、識見の高さ、そして落語論の
大胆なアナーキーっぷりに惚れ込んで、
「家元・談志の『現代落語論』の続編が書けるのはアナタしかいない!」
とたき付けて新作落語論の草稿を書かせたのはもう何年も前。
ま、ちょっとした大学院の論文なみのものがアガってきました。

それを読んで興奮して、いろいろ出版社を持ち回ったのですが、
どこも面白いと言ってはくれてもなかなか本にはまとまらず。
古典落語論は本になっても、新作落語というのはなかなか
文化として認知してくれないんですね。今の人気落語家の
ほとんどは古典と平行して新作も手がけているというのに。

ちょっと意気消沈していたら、友人の編集者Kくんが
「コンセプトを変えて、談之助さんの自伝にしてみたら。
談志さんが一番トンがっていた時期に一番近くにいた人ですし」
と言ってくれて、これで目の前がパッと開けました。

とはいえ、こういう企画は担当編集者、もしくは出版社の社主、
そういう人とアウンで息が合わないといけない。
そんな中、縁あっておつきあいしているぶんがく社が、これまで
の自費出版専門から企画出版に事業を拡大すると聞いて、
「実はこういう本を出したくて……」
と、企画書を出してみたら、
「これはお願いしてもウチで欲しい本です」
と言ってくれて、即決となったのはバンザイでした!

で、さっそく本人交えて打ち合わせとなったのですが、
最初の私の企画では、まず本人の高校・大学時代、つまり
昭和40年代の落語黄金時代の様相を時代の証言として語ってもらい、
次に談志のもとに弟子入りしてからの議員秘書と前座の二股生活、
そして三遊協会騒動、立川流独立騒動と、落語会を揺るがした事件
の内部からの証言、まとめで例の落語論、という流れだったの
ですが、そのどの部分もあまりにエピソードが多く、あまりに
面白く、とても一冊にはおさめきれない、という問題点が出てきて
しまったのですよ。

とりあえず、と出版社と話し合って、まず一番キャッチーな立川流
の話に絞り、続編続々編でその他のことも語ってもらいましょう、
ということになった。

私としては早く落語論を、と言いたいところですがそこはまず、
ガマンガマン。

何はともあれ、積年の念願だったプロデュース企画が動き出した、
ということに興奮しております。

まずは夏あたりの刊行を目指しておりますので、談之助十八番の
懐かしのスーパーヒーローじゃないが
「少々、お待ちください」

電子書籍と印刷もの、同時の刊行となる予定です。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa