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2011年4月12日投稿

ネット散策

相変わらず原発関連で腰が据わらないというか、テンパっている方々も
多いようですがまあ、落ち着いて行きましょう。

この人たちはみんなマイペースどころか、かえってイキイキしており
ます(笑)。

http://www.harimayahonten.co.jp/
『日本一おかき処・播磨屋本店』

“火急的”速やかに、“天皇を発動”ですよ。
天皇というのはイデオンだったのかもしれません。
「不肖播磨屋助次郎を急ぎ召喚されたい!」
カッコいいですねえ。
おかき屋さんなら東北地方の米農家とも契約など結んでいたと思うのですが、
そういうあたりのことなどひとつも書いてない。地球の運命の前には便々たる
商売のことなど小さい小さい、なのでしょうか。

初めてこのサイトを見る方、勘違いしないでもらいたいのですが、
この播磨屋助次郎さんは、震災以来こういうことを言い始めたわけではないのです。
ずっと前から同じ調子です。この震災でも、そのスタンスはまったく揺るぎない。
原発事故のレベルが上がったくらいでオタオタしている文化人たちに、
この店のおかきの欠けでも煎じて飲ませたいくらいであります(笑)。

あ、この店のおかきは何度もいただいております。
大変おいしいおかきです。
『天皇様皇太子様 どうかどうかお助けください」
というのと
『内閣総理大臣・宮内庁長官への公開質問状』
というののすぐ下に
『ほっぺた落ちる揚せんべい 朝日あげ』
というのが並んでいるほのぼのぶりが何とも言えません。

続いてもおなじみのこの方です。

http://www.snsi.jp/tops/kouhou/1492
『副島隆彦 今日のぼやき』

この人は例の『人類の月面着陸は無かったろう論』の人ですが、人類が月に
行ったか行かなかったかはともかくも、この人、副島隆彦氏は確実に
福島第一原発に行っております。
写真が多く添えられていますが、これがみんな傑作。
第一原発ゲート前の、SF映画みたいな重装備の警備員と、その前に立つ
ソエジーのラフな服装の差異がたまらない。

ちなみにこのぼやき(4/1)のタイトルは
「原発の避難者の皆さん、子供もつれて自分の家に帰りましょう。もう、大丈夫
です。安心してください。と、私は、言い続けるしかない(報告文 10)」

というもの。
ソエジーこと副島隆彦氏は南相馬市、広野町、いわき市北部などの住人に
「子供含めて、家に帰るべきだ」
というのですよ。
「たかが、20マイクロシーベルト毎時ぐらいの線量は、赤ちゃん、
幼児、青少年にとっても、将来にわたって問題ないと、私、副島隆彦は、
敢えて、断言します」

と。

……実に力強い断言であります。ただし、
「“無責任に、放射能の安全宣言を出した、何の専門性もない、評論家が、
危険な発言をした。そのせいで多くの体内被曝(たいないひばく)の
患者が生まれた”と、5年後、10年後に、言われて、指弾されても、
甘んじて受けると決めました。私には、核物理学、放射線医療の、何の
専門知識もない。それでも、自分の体で感じて分かります

という言を納得できれば、の話ですが。

副島先生は(書いているうちにソエジーとか呼ぶのがためらわれてきて
しまいました。先生とこれからは敬称させていただきます)これらの街に
住みたいとさえ言いだします。
「誰か、家を私に貸してくれませんか」

先生はまごうことなきトンデモであり、陰謀論者であり、論理破綻者であります。
なにしろ戻ってきなさい、住みなさいと言ったその口ですぐ、こう言います。
「普通の原子炉のウラン235 に比べて、ウラン238(あるいは、
ネプツニウム239)は、プルトニウム(ギリシア神話の地獄の悪魔プルトーン
から取られた名前)になるとか言う。これが体内に入ると、ポロニウムα(アルファ)
線やら、クリプトン、コバルトβ(ベータ)線などになって、肺や、女性
の卵巣や、男の睾丸の精子を、遺伝子(gene ジーン)を壊したり、
痛めるとか言う。 私は、そういうことは詳しくない

詳しくないのにそういうこと勧めるのかよ、とこっちがツッコむ
前に、先生はこう言います。
「こういうことはよくは知らないのに、私は、“もう、大丈夫だよ。
帰って来て、自分の家に住みなさい”と言う。そのように今も、書いている。
この態度を、私は、変えない。誰から何と言われようと、構わない。
私は、自分の信念に従う

似たような人を前に見かけたような気がしています。
そうだ、水野晴郎氏だ。
彼の作った『シベリア超特急』を、みんなは嗤った。世紀の愚作、駄作と
嘲笑した。しかし、彼に実際に会った人はみな、口を揃えて言ったといいます。
「水野さんの腹の中にあるのは、純粋な、徹底して純粋な映画への愛なんだ。
水野さんは自腹を切って、土地も家も売り払い、あの映画に賭けている。
人が命をかけてやっていることを笑える権利のある人なんかいやしない」
と。いや、私は敢て笑いますけど。
笑うことも権利だと思っているけど、しかし感動はします。
この副島先生の行動も同じだ。

副島先生のこの純粋なトツゲキ精神は売名や弥次馬などではありません。
学者としての自分の説に、純粋な信念を持っているからです。街の中を、
人の手を離れた牛や馬が闊歩する写真が載っていますが、このシュールな
光景が撮れるのも、無謀な現地入りをした人だけの特権でありましょう。

トンデモさんの多くは、危機を煽るだけで、自分は何もしません。

陰謀論を振りかざし、デマも真実もゴッタマゼにして、自分以外の人間を
“危機に気付きもしない愚か者ども”と嘲笑するだけで、ただあぐらを
かいているだけです。同じトンデモでも、副島先生は違うのです。
自らの体を危険にさらして自説を証明しようとしているのでありますよ。
ダーウィン賞http://tinyurl.com/6ayy3mとかいう言葉が脳裏
をよぎるのは、私の心が汚れているせいでしょう、たぶん……。

そう、副島先生はあくまで澄み渡った心の持ち主なのです。
津波に襲われ全壊した富岡の駅の前で、先生は生き残っていた猫をみつけ、
家に連れ帰ったといいます。
その写真も載ってます。
「今、私のPCの前で、邪魔をしながら、寝込んでいる。メス猫で、
雉(きじ)と三毛(みけ)の雑種で、1歳ぐらいだろう。
きっと飼い主は死んだだろう。
私は、タマと名前を付けた。以後、この“富岡タマ”は、私が死ぬまで
一緒に暮らすだろう

……副島隆彦の文章で目に涙を浮かべることがあるとは、予想もしなかったことでした。
震災は人に、いろいろと新たな体験をさせるものなのであります。

……他のユニークなサイトについてはまた今度。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa