同人誌
2010年3月7日投稿
伸び損ねた男(訃報 アンドリュー・コーエン)
アンドリュー・コーエン(ケーニグ)、2月24日、
オリンピックに沸いている最中のカナダ、バンクーバーで自殺の報。
41歳。少し前から行方不明で、捜索願が出ていた。
死亡記事の肩書きが“元子役”だったが、NHKでやっていた
『愉快なシーバー家』(すごいNHK的タイトル)ももう四半世紀の
昔か。
子役が大成しない、というジンクスは洋の東西を問わずあるが、
彼の場合、さらに父親がトレッキー(スタートレックオタク)たちの
あこがれの的であるウォルター・ケーニグ(テレビ第一作『宇宙
大作戦』のチェコフ役)ということで余計、世間から色眼鏡で
見られたことだろう。
http://www.youtube.com/watch?v=SUs0jTY0qIk
↑YouTubeに、父親のウォルターの記者会見の模様があって、
息子の死を涙をこらえながら語り、これ以上同じ病気(鬱病)の
犠牲者を出さないよう、訴えていた。
ここで涙をこらえるところがアメリカ的なのだろう。立派だと思う。
トヨタ会見で社長が涙を見せたのはやはりマズかった、と思わざるを
得ない。
ケーニグという珍しい姓は東欧系ユダヤ名前のカニグスバーグ
(Koenigsberg。ウディ・アレンの本名でもある)を略したもの。
コーエンというのはさらにそれを略し、日本で『愉快なシーバー家』
のときに勝手につけられた名前みたいである。勝手に名前変える
なよ、と思うが……。
http://www.youtube.com/watch?v=eYHieJQKZd8
↑自主製作ではあるが、このジョーカーなんか、これまでの映画
版のに比べもっとも原作に顔が近く、よかったのにな。
若い俳優が伸びるか伸びないか、これは実力や環境に関係ない、
まったくの運だと思う。父と同じく『宇宙大作戦』でスターに
なったジョージ・タケイもインタビューの中でそう言っている。
残念ながら彼はその運をつかみそこねた。
彼の罪ではない。
安らかに。