新刊
2009年6月16日投稿
『機動戦士ガンダム ジ オリジン』に寄稿しています
唐沢俊一と安彦良和、という組み合わせに違和感を
感じる方もいらっしゃるでしょう。
私自身、角川書店さんから依頼を受けたときに、ちょっと
ためらいました。ガンダムに限らず、熱烈なマニアのいる
業界では、いわゆる仲間うち以外の起用は問答無用で切って
捨てられるのが通例ですから。
しかし、どうもこの依頼は安彦先生からのお名指しである
らしい。
安彦先生にしてみれば、熱烈なファンたちからの賛辞の他に、
ちょっと外れたところから、自分の画業というものを客観視した
評価をそろそろ読んでみたかったのではないか、と思います。
「商業アーティストとしての安彦良和の位置づけ」
を自由に書いてほしい、と言われて、いささかガンダム系の
本に執筆するには異例と思いましたが、“商業”に徹した画家の
嚆矢として、明治時代の挿絵画家、鰭崎英朋あたりから説き起こす
という評論を書き上げました。
私としてはさて、どういう受け取り方をされるかにはまるで
自信がありませんでしたが、安彦先生からは丁寧なお手紙と
編集者への伝言で、絶賛を伝えてきてくださいました。
以前から、私に自分を論じてほしかった、とのこと。
恐縮というか、ガンダム系に関しては(あまりにそれが本道、
王道になってしまったがゆえに)あえて避けて通ってきた私に、
改めて正面からガンダムのアートワークを見直すきっかけも
作ってくださったと思っております。
まあ、それはともかく、ざっと日本の商業アート史を俯瞰する
内容にもなっておりますので、どうかガンダムファンも、
唐沢俊一ファンも、一度目をお通しくださいますよう、
お願い申し上げます。
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